5月23日の説明会に登壇したシャープの長谷川氏
5月23日の説明会に登壇したシャープの長谷川氏
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 シャープが2013年5月23日に説明会を開催したスマートフォン/タブレット端末の2013年夏モデルは、7機種すべてで米Qualcomm社の28nm世代のアプリケーション・プロセサを採用している。動作周波数1.5GHzのデュアルコア・プロセサ「MSM8960(Snapdragon S4 Plus)」、または動作周波数1.7GHzのクアッドコア・プロセサ「APQ8064T(Snapdragon 600)」のいずれかを搭載している。

 シャープは2012年度上期に、Qualcomm社のプロセサを十分に調達できず、これが端末出荷に大きく影響した。5月23日の新製品説明会では、2012年度上期に「主要部品の不足などが響き、国内携帯電話機市場でのシェアは3位にとどまった」(シャープ 常務執行役員 通信システム事業統轄 兼 通信システム事業本部長の長谷川祥典氏)と説明した。不足したのは、同社が今回発表した夏モデルにも採用した「MSM8960」とみられる。Qualcomm社が同チップの生産を委託していた台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)の28nmプロセスの製造歩留まりが当初低かったことなどが、供給不足の要因となったもようである。

 シャープの長谷川氏は5月23日の説明会で報道陣の囲み取材に応え、2013年度にQualcomm社のプロセサの調達が不足する可能性について「その懸念はない」と話した。シャープは2012年12月にQualcomm社との資本・業務提携を発表しており、この提携もQualcomm社のプロセサの調達に「プラスに作用する」(長谷川氏)という。

プロセサ不足が提携のキッカケに