図1 中央にあるのがXbox One本体で、左が新しいKinect。右がコントローラである。
図1 中央にあるのがXbox One本体で、左が新しいKinect。右がコントローラである。
[画像のクリックで拡大表示]

 米Microsoft社は、新しい据置型ゲーム機「Xbox One」を発表した(図1)。2013年末に発売する予定だ。従来の据置型ゲーム機「Xbox 360」が発売された2005年から、約8年ぶりの新型機になる。同年末には、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)からも据置型ゲーム機の次世代機「PlayStation 4(PS4)」が発売される。2013年末のゲーム商戦は、次世代機に大きな注目が集まりそうだ。

 Xbox Oneの発表会は米国で開催され、インターネットを通じてライブ配信された。その中で時間を割いて説明したのが、テレビや映像コンテンツの視聴機能である。Xbox Oneには、ジェスチャー入力コントローラ「Kinect for Xbox 360」の次世代機も付属する(外付け)。発表会では、Kinectが搭載する音声入力機能によって、テレビ視聴画面やゲーム画面を素早く切り替えられる様を見せた。もちろん、手のジェスチャーでも、操作可能である。

 映像コンテンツの拡充も図る。例えば、Microsoft社の人気ゲーム・ソフト「Halo(ヘイロー)シリーズ」のテレビ・シリーズなどを制作する。加えて、米国のプロ・フットボール・リーグの「NFL」のライブ放送も行う予定である。

 Xbox One本体と、付属する新しいKinectのハードウエア仕様も一部公開した。本体は8コアのCPUと、8Gバイトのシステム・メモリを搭載する。500GバイトのHDDを内蔵し、Blu-ray Discドライブを備える。IEEE802.11nの無線LAN機能を持つ。機器間インタフェースとして、HDMIやUSB 3.0を採用した。

 Kinectに関して大きく変化があったのは、距離画像センサの方式である(図2)。従来のKinectは、イスラエルPrimeSense社の距離画像センサ技術をベースにしていた。同技術は、特殊な光学パターンを赤外レーザで対象物に照射し、そのパターンの歪み具合などから対象物の3次元構造や距離を求める。これに対して今回採用したのは「TOF(time-of-flight)方式」である。同方式は、光を照射し、その光の到達時間を基にして距離を測るもので、距離画像センサでは一般的な方式である。

 この他、新しいKinectは、1080pのRGBカメラを搭載する。音声入力に向けて、マイクロホン・アレイも内蔵する。

 発表会では、人気シリーズの続編を中心に、Xbox One向けに開発中のゲーム・ソフトの一部を明らかにした。ゲーム内容とともに、ゲーム画像がよりリアルになった点などを強調していた(図3)。

 なお、Xbox Oneの詳細については、2013年6月に米国ロサンゼルスで開催されるゲーム関連の世界最大級の展示会「E3」で発表される予定である。

図2 新しいKinectの主な仕様
図2 新しいKinectの主な仕様
[画像のクリックで拡大表示]
図3 Xbox Oneのゲーム画像は、非常にリアル
図3 Xbox Oneのゲーム画像は、非常にリアル
[画像のクリックで拡大表示]