発明協会は2013年5月16日、「平成25年度全国発明表彰」の受賞者一覧を発表した。全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、優れた発明をした開発者を表彰するもの。「多大の功績をあげた発明・創作を表彰する」(発明協会)ことから、その受賞者一覧は時代を反映するといわれている。

 表彰の対象はあらゆる産業にわたるが、エレクトロニクス分野からは今回、ソニーの「裏面照射型CMOSイメージセンサの発明」(特許第2893175号)が内閣総理大臣発明賞を受賞した。この他にも、エレクトロニクス分野からの受賞者は多い。キヤノンの「クリーナのない中間転写型プリンタの発明」(特許第3267507号)が文部科学大臣発明賞を、パナソニックの「世界のエコ文化を導く発光ダイオードランプの意匠」(意匠第1431812号)が経済産業大臣発明賞を、新日鉄住金などの「LSI用新型高機能銅ボンディングワイヤの発明」(特許第4542203号)が特許庁長官賞を、ヤマハなどの「個性豊かで自然な歌唱音声合成技術の発明」(特許第4153220号)が日本弁理士会会長賞を、東北大学と村田製作所のグループの「温度安定性の良い携帯電話用弾性波フィルター素子の発明」(特許第3841053号)が朝日新聞発明賞をそれぞれ受賞した。

 この他11件の発明賞では、日立アプライアンスの「衣類のシワを低減させるドラム式洗濯乾燥機の発明」(特許第4423317号)や、パナソニック液晶ディスプレイなどの「広視野角・低消費電力を実現したIPS方式液晶表示パネルの発明」(特許第4724339号)などが、エレクトロニクス分野から表彰された。また、「今後大きな功績をあげることが期待される発明を表彰する」(発明協会)という位置づけの21世紀発明奨励賞は、篠田プラズマの「フィルム型超大画面表示装置の発明」(特許第4402740号)が受賞した。

 なお、今年度の全国発明表彰の最高賞となる「恩賜発明賞」は、大塚製薬などの「新規統合失調症治療薬・アリピプラゾールの発明」(特許第2893175号)が受賞した。