2012年の産業用電子機器向け半導体メーカー・ランキング
2012年の産業用電子機器向け半導体メーカー・ランキング
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 米IHS社が発表した「IHS iSuppli Industrial Electronics Market Tracker Report」によると、産業用電子機器向け半導体上位8社の2012年の売上高は、低迷する市場環境の影響を受けて、いずれも前年比で減収となった(リリース)。

 産業用電子機器向け半導体上位10社のうち、プラス成長となったのは2社(日亜化学工業、パナソニック)のみ。売上高を伸ばした2社を含む上位10社の合計売上高は対前年比8.9%減の約121億9000万米ドル。これは産業用電子機器向け半導体市場全体の売上高(約301億5000万米ドル)の40.4%に相当する。

 IHSの産業電子機器担当アナリストのJacobo Carrasco-Heres氏は「2012年の産業用電子機器向け半導体市場は、セキュリティ機器、検査・計測機器、モータ・ドライブ、メータ機器、医療用電子機器、再生エネルギーなどの分野で需要が落ち込み、全体的に5.4%縮小し、これらのセグメントの需要低迷が、上位8社の2012年の売上高を0.7~20.4%下振れさせる要因となった」とコメントしている。

 米Texas Instruments社(TI)は首位の座を維持したものの、売上高は2011年に比べて6.6%減少し、約20億9000万米ドルとなった。医療用電子機器、ビル及び住宅用制御システムの分野は好調だったが、モータ・ドライブやオートメーション分野の需要低迷が業績の足を引っ張る形となった。風力・太陽光発電も年間を通して振るわず、発電・送電のセグメントでもマイナスとなった。

 伊仏合弁STMicroelecetronics社は2位に返り咲き、2011年にドイツInfineon Technologies社に奪われたポジションを取り戻した。ST社の売上高は対前年比11.6%減の約14億7000万米ドル、Infineon社の売上高は同19.3%減の約14億6000万米ドルだった。両社の売上高の下振れは様々な市場セグメントに表れているが、ビル及び住宅用制御システムの照明機器セグメントはプラス成長となっている。

 約13億4000万米ドルの売上高を計上した米Intel社が4位に入り、売上高約12億3000万米ドルの米Analog Devices社が5位と続いた。両社の売上高成長率は-7~-8%。

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