経済産業省は2013年5月10日、電気用品を遠隔操作する際の安全基準を改正すると発表した(発表資料)。今回の改正により、スマートフォンを使って外出先から家電の電源をオンするなどの遠隔操作が可能になる。

 今回改正されたのは、電気製品が原因の火災や感電などを防ぐことを目的とする「電気用品安全法」の技術上の基準である。従来の基準では、遠隔操作は室内で行うことを前提としていたため、赤外線や有線などに限られていた。「危険が生ずるおそれのないもの」という例外規定もあったが、対象となる電気製品は照明機器やテレビ、音響機器に限定されていた。この基準の解釈をめぐり、2012年9月にパナソニックが家庭用エアコンのスマートフォン連携機能の一部を削除したことが大きな波紋を呼んだ。

 今回の改正では「危険が生ずるおそれのないもの」の解釈が変更され、遠隔操作による危険のリスク低減策を講じていることや、操作結果のフィードバックを確認できること、同時に2カ所以上からの遠隔操作を受けつけない対策を講じること、といった条件を満たすことで、通信回線を利用した遠隔操作が可能になる。HEMSの売り物の機能の一つである家電の遠隔操作が可能になったことは、HEMSの普及に弾みをつけそうだ。