Samsung Electronics Europe社のSenior Director, Sales & Marketing TV/AV, Europe、Michael Zoeller氏。
Samsung Electronics Europe社のSenior Director, Sales & Marketing TV/AV, Europe、Michael Zoeller氏。
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Samsung Electronics Europe社の新製品のテレビ放送ポータル画面。
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 世界最大級の家電見本市「IFA 2013」についての事前セミナー「グローバル・プレス・コンファレンス」(GPC)での、韓国Samsung Electronics社の欧州法人Samsung Electronics Europe社のブリーフィングは、同社Senior Director, Sales&Marketing TV/AV, EuropeのMichael Zoeller氏が行った。

 テレビ戦略の発表は、スマートテレビとUHD(4K×2K)にフォーカス。スマートテレビの発表で注目されたのは、「テレビ放送を重視する」と述べたことだ。これまでSamsung Electronics社は、いかにIP(internet protocol)によってネット上からたくさんの情報、コンテンツ、ソフトウエアが集めているかを強調していた。しかし今回は、「より簡単にスマートテレビを楽しんでもらうために、テレビ放送視聴をいかにスマートにするかに努めました」(Zoeller氏)と言う。

 まず、「テレビの視聴時間は、全体の98%が普通のテレビを見る時間に費やされています。欧州には6500のチャンネルがあります」という、英BBC(英国放送協会)のiPlayer部の調査を紹介し、「だから、われわれはスマートに放送を見る機能を開発しました」(Zoeller氏)と言った。同じような話はオランダTP Vision社のプレゼンテーションでも聞かれた。「Philipsのスマートテレビ向けアプリケーションの43%は、キャッチアップ・テレビ(見逃したテレビ番組を視聴できるIP再送信機能)」(TP Vision社CEOのMaarten de Vries氏)ということだ。

 Samsung Electronics Europe社の新製品「F800FHD」は6チューナーを積み、PVR(Personal Video Recorder。ハードディスク録画装置)レディー。電源スイッチを入れると初めに映るポータル画面は、これまではインターネット・コンテンツに対するものだったが、新ポータル画面「マイ・テレビ・プログラム」はテレビ専用だ。前回スイッチを消したときのラストチャンネルのテレビ番組が左上に映る。右側には6つの推薦番組。履歴により推薦する番組、もしくは外付けのPVRから選択され、下部にこれからの放送から履歴推薦の番組が表示される。

 もちろん、これまでのようにインターネットの世界のスマートテレビ機能は健在である。まずはテレビ・ポータルから入るが、次の画面で、ビデオ・オン・デマンドで見たいコンテンツを視聴することができる。インターネット経由で類似コンテンツを推薦してくれる機能もある。Web視聴にはジェスチャー・インタフェース、検索には音声入力と、Samsung Electronics社の特徴的な操作環境は、そのまま引き継いでいる。

 Zoeller氏はこれを「テレビ放送とIPの結婚」と称している。これまでIP化で突っ走ってきたが、現実的な方針に修正したのである。