外観
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ハンドル部を使って立てた場合
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 日本のソフトウエア・ベンチャー企業のユビキタスエンターテインメント(UEI)は、同社が開発を進めてきたタブレット端末「enchantMOON(エンチャント・ムーン)」の価格や発売時期、詳細仕様などを明らかにした(発表資料)。価格は3万9800円(税込)で、2013年4月23日正午から予約を開始する。同年5月下旬から順次出荷を開始する予定だ。

 enchantMOONの最大の特徴は、ペン入力に注力したこと。実際の紙のノートとペンの書き味を目指して、電磁誘導方式のタッチ・ペンによる入力を可能にした。静電容量方式のタッチ・パネルも搭載しており、指による操作も可能である。文字を書くにはペンを、その他の操作では基本的に指を利用する。ユーザが手書きした文字は自動的に認識され、指で囲むことで様々な操作が可能になる。手書きした文字は、後から検索できる。

 外観デザインも独特で、本体上部には大型のハンドルを備える。画面は真っ黒で、その上に白い文字や写真などが表示される。開発には、映画監督の樋口真嗣氏やイラストレータ/漫画家の安倍吉俊氏、哲学者/小説家の東浩紀氏をメンバーに迎えたことでも注目を集めている。

 enchantMOONのハードウエア構成は以下の通り。CPUには、中国Allwinner Technology社の「Allwinner A10」を採用する。動作周波数は1.2GHzである。1024×768画素で8型のディスプレイを搭載する。内蔵ストレージの容量は16Gバイト。IEEE802.11b/g/nの無線LAN機能を備える。カメラも搭載。内蔵2次電池の容量は5000mAhである。OSには、Android 4.0を基にしてenchantMOON向けに開発した「MOONPhase」を採用する。

 enchantMOONは、「シール機能」や「ハイパーテキスト機能」、「ビジュアルプログラミング機能」を備える。シール機能に関しては、書いた文字や絵をシールとして画面に貼り付けたり、インターネット上から「シール・アプリ」をダウンロードしたりして、機能を追加できる。EvernoteやFacebook、Twitterなどと連携するシールを提供する予定。開発者は、JavaScriptを用いて自由にシール・アプリを開発して追加機能を搭載できる。

 ハイパーテキスト機能に関しては、手書きしたページにハイパーリンクを設置できる。設置したハイパーリンクによって、ページ間をWebのように接続できるという。ハイパーリンクを含むページ群は、リンク構造を保ったままアップロードし、Webページとして公開もできる。

 ビジュアルプログラミング機能を実現するために、プログラミング言語「MOONBlock(ムーンブロック)」を搭載する。小学生でも使えるほど容易だという。

 なお、4月23日の午後7時から、東京・五反田にある「ゲンロンカフェ」で、enchantMOONの体験会を開く予定である。

(なお、UEI 代表取締役社長 兼 CEOの清水亮氏のインタビューを日経エレクトロニクス2013年4月1日号に掲載)