図●左が三菱電機の新しい液晶テレビ「LCD-50LSR4」(50インチ)。右が白色LEDを光源に使った同社の従来型液晶テレビ。同50LSR4の方が赤が鮮やかな上、葉の葉脈までくっきりと再現されている。
図●左が三菱電機の新しい液晶テレビ「LCD-50LSR4」(50インチ)。右が白色LEDを光源に使った同社の従来型液晶テレビ。同50LSR4の方が赤が鮮やかな上、葉の葉脈までくっきりと再現されている。
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 三菱電機は、色再現範囲が広い液晶テレビ「LCD-50LSR4」(50インチ)、「同39LSR4」(39インチ)を開発し、2013年5月下旬に発売すると発表した(図、ニュースリリース)。赤色レーザと2つのシアン色LEDを光源に使ったもので、色再現範囲が白色LEDをバックライト(光源)とするテレビの131%と広い。各色の成分が混合して濁った光となりやすい白色LEDを光源に用いる場合と違って、緑から赤の波長をきれいに分離しやすいことが特徴という。

 赤色レーザについては、実は同社が2012年6月に発売した液晶テレビ「LCD-55LSR3」でも光源に採用していた。今回の新製品が同55LSR3と異なっているのは、この赤色レーザと併せて使用するシアン色LEDを青色用と緑色用の2種類に分けたことだ。すなわち、青が強いシアン色LEDと緑が強いシアン色LEDの2種類を用意し、それぞれを青色用LEDおよび緑色用LEDとして採用した。これにより、前述のように緑から赤の波長をきれいに分離しやすくした他、「緑色系や緑と赤から作り出される黄色系の発色を鮮やかにした」(同社)。ちなみに、緑から赤の波長をきれいに分離できるようにすると、深緑からスカイブルーまでの色の表現力が高まる。また、赤色の光源としてレーザを用いると、その直進性の高さから、赤やピンク、紫色を鮮やかに再現しやすくなるという効果がある。同50LSR4では赤色レーザを16個、シアン色LEDを168個、同同39LSR4では赤色レーザを12個、シアン色LEDを144個搭載している。

 新製品は、ブルーレイディスクとハードディスク(1Tバイト)による録画機能を搭載した「3in1」タイプの3D対応液晶テレビだ。外付けハードディスクにも対応する他、チューナを3つ搭載し、2番組の同時録画も可能だ。カーボン・ナノチューブをコーン紙に使ったスピーカー「NCV」を合計10個搭載し音質にもこだわった。同社によれば、「小さな音でも聞き取りやすく臨場感のある音を再現できる」という。Bluetooth対応機器とワイヤレス接続して音楽を楽しんだり、CDを再生したりするなど、テレビとしてだけではなくオーディオ機器としても使えるとしている。市場想定価格は、同50LSR4が30万円、同39LSR4が25万円。