台湾KGI(凱基)證券のアナリストであるKuo, Mingchi(郭明錤)氏が、「iPhone」「iPad」の新機種発売が遅れるという趣旨のレポートを発行した。同氏は、米Apple社のサプライチェーン分析に定評がある。また、ほかの在台湾産業アナリストも類似の情報を得ている。そこで以下に、Kuo氏のシリーズ・レポート「Apple Watch(蘋果觀察)」の概要(2013年4月11日発行分)を示す。


 我々は、iPhoneとiPad miniの量産出荷が市場コンセンサスより遅いと予測する。そして2013年第3四半期における、それらの出荷台数成長率は、1ケタ台にとどまるだろう。市場コンセンサスで前年同期比30~40%増となっている。部品メーカーなどサプライヤーの業績悪化が懸念される。

 具体的な発売時期は以下の通りとみている。iPhone 5SとiPhone 5には、それぞれ現在販売されていないTDD(time division duplex)対応品が用意される。

  市場コンセンサス 我々の予測
iPhone 5S 7月 9月以降
低価格iPhone 5 7月 9月以降
iPad mini 2 8月 9月以降

 Apple社がiPhone 5Sの発売時期を見直した要因は、指紋認識機能にある。このセンサの動作に悪影響を与えない、ガラス表面の塗料が必要となった。「iOS 7」中の指紋関連ソフトウエアの開発に時間を要している可能性もある。低価格iPhone 5に関しては樹脂筐体が、iPad mini 2ではいわゆる「Retina Display」が、それぞれネックになった。