写真1:無償点検の対象製品の一つ。赤枠部分からネコの尿が侵入した
写真1:無償点検の対象製品の一つ。赤枠部分からネコの尿が侵入した
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写真2:焼損したものと同型のプリント配線基板。赤丸内が発熱した金属配線
写真2:焼損したものと同型のプリント配線基板。赤丸内が発熱した金属配線
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 ペットのネコがエレクトロニクス機器の焼損原因となっていたことが分かった。ブラザー工業は、2013年3月29日、「猫と一緒にお住いのお客様へ 家庭用ファクスにおける無償点検のお知らせ」と題する報道資料を公表、ネコの尿が同社ファクシミリ製品に繰り返しかかることに起因する焼損事故が少なくとも4件発生していたことを明らかにした。

 事故原因は、ファクシミリ受信時に用紙が送出される部分(写真1の赤枠部分)にネコが乗って繰り返し排尿、機器内部のプリント基板のコネクタ部に達した尿がたまり、その結果生じた異常電流でコネクタ部が発熱したことだ。コネクタ部には、印字用サーマルヘッドの駆動電流を供給する金属配線(写真2の赤丸部分)があり、金属配線の周囲に尿の成分が蓄積、絶縁していた配線間で電流が流れるようになった。異常な発熱で配線周囲が炭化し、いっそう大きな電流が流れるようになって、焼損に至ったとみられる。

 ネコを原因と特定したのは、4件の事故製品すべてで焼損部にネコの尿成分の存在を確認したこと、飼いネコが機器に乗っているところを製品の所有者が目撃していた例があったことによる。イヌや他の動物での同様の事故、他社での同様の事例について、同社は確認していない。