文部科学省と科学技術振興機構(JST)は「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」の公募説明会を、2013年3月29日に文部省内で開催した。平成25年度(2013年度)から始める同プログラムは、「文科省が幾つかのビジョンの下に10年後を見通した革新的な研究開発課題を定めた上で、革新的なイノベーションを日本の大学や企業などの産学連携チームによって創出する事業」と、文科省科学技術・学術政策局産学連携・地域支援課の木村直人地域支援企画官は説明する(関連記事)。

 同プログラムは、国が将来の日本のあるべき社会などの姿を“ビジョン”として定め、それを達成するリスク経費を国(文科省)が受け持って、チャレンジングでハイリスクな研究開発・事業化を産学連携チームに実施してもらう事業である。大まかに言えば、10年後の人びとの生活の仕方や生き方などの社会の在り方を見据えて、この将来社会ニーズを解決する革新的な研究開発課題を設定し、各産学連携チームが解決を図るプログラムである。この「革新的な研究開発課題は、産学連携チームによる異分野融合の視点で解決を図る」(産学連携・地域支援課)という。

 この産学連携チームが研究開発を推進するCOI拠点(後述)として、12拠点程度を今後選び、各COI拠点に運営費として毎年度4億~8億円を原則3年~9年間支援する計画である(図1)。

図1●COI拠点の模式図(出典は文科省の公募資料)

 同プログラムを平成24年度から練ってきた文科省の産学連携・地域支援課は、前述のビジョンを描く役割を担うビジョナリーチーム(産学の有識者数人で構成)を3つ設け、各チームが個別にビジョンを定めた。「少子高齢化先進国としての持続性確保」(ビジョン1)、「豊かな生活環境の確保」(同2)、「活気ある持続可能な社会の構築」(同3)の3つである(図2)。

図2●今回公表した3つのビジョン(出典は文科省の公募資料)