ガラポン 代表取締役社長の保田歩氏。左がガラポンTV弐号機、右が同参号機
ガラポン 代表取締役社長の保田歩氏。左がガラポンTV弐号機、右が同参号機
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外箱(左)も、弐号機に比べて洗練されたものになった
外箱(左)も、弐号機に比べて洗練されたものになった
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参号機と弐号機の違いを説明したスライド
参号機と弐号機の違いを説明したスライド
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 ガラポンは2013年3月27日、ワンセグ全番組録画機の新製品「ガラポンTV参号機」を発売した(Tech-On!の関連記事)。従来製品の「ガラポンTV弐号機」はユーザーが外付けハードディスクを別途用意して接続する必要があったが、新製品はハードディスク・ドライブ(HDD)を内蔵した。また、筐体を大幅に小型化した。価格はオープンで、同社の直販サイトでは3万9800円(税抜き)で販売する。

 弐号機は外形寸法が250mm×200mm×70mmで、重さは2kgもあった。これに対し、参号機は「CDケース4枚分の大きさ」(同社)に抑えた。外形寸法は148mm×120mm×40mmで、重さは850gである。

 内蔵HDDは2.5型で、容量は500Gバイト。弐号機は最大2Tバイトの外付けハードディスクに対応し、約2カ月分の全番組録画が可能だった。これに対し、参号機は最大3Tバイトの外付けハードディスクに対応した。内蔵HDDだけを使う場合には約2週間分、3Tバイトの外付けハードディスクを接続した場合には約3カ月分の番組を録画できる。外付けハードディスクを使う場合、内蔵HDDは、ユーザーが「お気に入り」に指定した番組の保存に使われる。

 内蔵するワンセグ・チューナーの数は、弐号機では7個だったのに対し、参号機では8個に増やした。例えば首都圏では、弐号機でTOKYO MXの録画を行うには、NHK2局と民放5局のうち1局の録画を諦める必要があった。参号機では、TOKYO MXを含む全局の番組を録画できる。

 弐号機のワンセグ・チューナーは海外製だったのに対し、参号機ではシャープ製のチューナーを採用した。これにより安定した電波の受信が可能になったという。シャープからは、8個のチューナーが載ったボードの形態で供給を受けている。

 機器の設計および製造は、台湾のODMメーカーが担当している。筐体は、このODMメーカーが製造しているNAS製品のものを流用しているという。弐号機は、プロセサとして「Atom D510」を搭載し、パソコンに近い内部構造の製品だった。これに対し、参号機はARMプロセサを採用している。「ようやくきちんとした家電製品になった」(ガラポン 代表取締役社長の保田歩氏)。

 新製品は、iPhoneやiPadでのオフライン再生に対応したのも特徴である。指定した番組をMP4に変換し、iPhone/iPadにダウンロードできる。これにより、ネットワークがない環境でもiPhone/iPadでの番組視聴が可能になった。Android端末でのオフライン再生機能は現在、開発中だという。また、チャンネルの設定や外部からアクセスするためのルータ設定も容易に行えるように改良した。

 初期ロットとして3000台を生産した。販売チャネルを拡大することで、年間1万台以上の出荷を目指す。例えば、インターネット・サービス・プロバイダーや携帯通信事業者がユーザーに向けて月額課金で同製品を貸し出す、といったモデルを検討している。なお、弐号機のユーザーに参号機を2万3810円(税抜き)の特別価格で提供するキャンペーンを発売と同時に開始する。