照明器具メーカーも有機EL照明に強い興味

 今回の展示会は、外部調達した有機ELパネルを用いて照明器具の製品を開発する照明器具メーカーが増えたことも特徴の一つだ。

コイズミ照明の出展品。左は医療用の有機ELパネルを用いた緑色の照明器具。これを利用することで静脈を確認しやすくなる。右は照明のラインナップ。販売は未定。(写真:グラナージュ)
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 コイズミ照明は医療用の製品を中心に参考出展した。有機EL照明のやわらかい光は診察時に患者に安心感を与えると同時に、演色性が良い。このため、肌色などが確認しやすいという。夜間の見回り時に患者への不快感を与えない利点もある。また、緑色の照明器具を利用することで、静脈を確認しやすくなる。パネルはルミオテックやパナソニックなどから調達した。

 岩崎電気は三菱化学の調色・調光型有機EL照明「VELVE」のパネルを展示した。今後、岩崎電気は照明器具への展開を模索する。製品展開はこれからだ。DNライティングは、同じく三菱化学の有機EL照明パネルを採用した調色・調光型有機EL器具「EL Palette」を4月から販売予定だ。

岩崎電気ブースでの有機ELパネルを利用した照明。(写真:グラナージュ)
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岩崎電気が三菱化学のパネルを利用した照明器具の開発を模索。(写真:グラナージュ)
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DNライティングは、コニカミノルタの白色パネルと三菱化学のパネルを使う。(写真:グラナージュ)
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 ルミオテックの有機EL照明パネルを採用したのは、山田照明やオーデリックだ。山田照明は2013年1月に発売したテーブルスタンドを展示した。価格は29万8200円。オーデリックは鏡部分に有機ELパネルを組み込んだ化粧台や、スタンドライトを展示。受注販売を行っている。

山形県産業技術振興機構のブースから。写真左は「OLEDメッシュパネル」を利用した外観検査用照明。中央は、外観検査の説明パネル。OLEDメッシュパネルを利用することで、光が均一に対象物に当たり、検査が容易になる。右は、撮影スタジオ用の有機EL照明。(写真:グラナージュ)
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 山形県産業技術振興機構のブースでは、同機構の関連団体などが製品化した約30点の照明機器を展示した(上の写真)。実際に山形県内で利用されている照明器具やコンセプト製品だった。山形県工業技術センターと有機エレクトロニクス事業化推進センターが共同開発した外観検査用照明の「OLEDメッシュパネル」や撮影スタジオ用有機EL照明など、有機EL照明の特徴を活かした産業向けの製品が目を引いた。

■変更履歴
掲載当初、ライティング・フェア2013の開催日の表記に誤りがありました。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2013/3/19 18:50]