チップ-パッケージ-ボードの相互設計の促進を狙った講演会「第1回LPB Forum」が2013年3月6日に東京で開催された。主催は電子情報技術産業協会(JEITA)のLPB相互設計ワーキング・グループ(LPB-WG)である。

図1●登壇したLPG\-WG主査の福場義憲氏(東芝) Tech\-On!が撮影。
図1●登壇したLPG-WG主査の福場義憲氏(東芝)
Tech-On!が撮影。
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 同WGは数年の準備期間を経て2010年4月に正式に発足した。2011年3月には、チップ(LSI)-パッケージ(Package)-ボード(Board)の各設計工程で使うEDAツール用データのやりとりを促進するための規格として「LPB V1.0」を策定し、2012年3月には改訂版の「LPB V2.0」を発表している(Tech-On!関連記事1)。同WGの主査を務める東芝の福場義憲氏によれば(図1)、V2.0の発行によって、規格策定の作業は一段落した。2012年度からは、規格を生かして実際にLPB相互設計を促進するために、EDAベンダーに規格への対応を働きかけることに、同WGは注力しているという。今回の講演会の目玉は、その成果である、EDAベンダーのLPB規格への対応状況が明らかになったことだろう。

図2●LPB規格の概要を語るLPG\-WGの大槻隆志氏(リコー) Tech\-On!が撮影。スライドはJEITAのデータ。
図2●LPB規格の概要を語るLPG-WGの大槻隆志氏(リコー)
Tech-On!が撮影。スライドはJEITAのデータ。
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 LPB V2.0は、5つのフォーマットと用語集からなる。前者は設計各部の履歴情報向けの「M-Format」、ネットリストと電源/グランウンド端子情報向けの「N-Format」、部品情報向けの「C-Format」、設計ルールや材料特性情報向けの「R-Format」、解析用形状データ向けの「G-Format」である(図2)。講演会の前半では、規格の概要やLPB-WGの活動の軌跡などが紹介された。さらに、国際標準化を目指した、IECやIEEEへの働きかけについても説明した。すでに、IEEEとは、標準化へ向けて協調していくことで検討を始めたという。