タカハタ電子は、医療用途に開発した有機EL照明器具を数点開発した。照明技術の展示会「ライティング・フェア 2013」(2013年3月5~8日、東京ビッグサイト)で、コイズミ照明のブースなどで展示されている。コイズミ照明は「半年後をメドに販売する予定」という。有機EL照明の「やさしい光」を生かした製品開発例の一つといえる。
この有機EL照明器具群は、パイオニアの有機EL照明パネルを用いてタカハタ電子が設計し、作製したもので、「月のようにやさしく光る」(コイズミ照明)ことから「Lunaface」というブランド名を備える。そのうち、今回、コイズミ照明が出展した器具は3種類ある。
一つは、看護士用の携帯ライト。白色発光と緑色発光を切り替えて利用できる。白色発光は、夜間の病室などで利用することを想定。一方、緑色発光は、「注射をする際に、静脈の位置が分かりやすくなる効果がある」(コイズミ照明の説明員)という。
二つめの照明器具は、診察室などで利用することを想定したもので、ランの花を模してデザインした器具であるという。パネルの角度を変えることで、光量の調節ができる。
三つめの照明器具は、病室で患者が読書灯などに利用することを想定したもの。動かせるスタンドにやや大型のパネルを実装した。
「最近、青色光(ブルーライト)が睡眠などに影響する可能性が指摘されている。有機EL照明はこうした光を少なくでき、リスクが小さいので医療用途に向いている」(コイズミ照明)という。
コイズミ照明はより高効率の有機EL照明器具も開発
コイズミ照明は、タカハタ電子が製造した器具とは別に、独自に医療用の有機EL照明器具も開発した。この照明器具には、発光効が60lm/Wの有機EL照明パネルを用いており、「LED照明に近い発光効率と明るさを実現できる」(コイズミ照明)という。パネルのメーカーは明らかにしていないが、韓国LG Chem社のパネルであるもようだ。
開発した照明器具の一つは、有機ELパネルが薄くて軽いことを生かした、非常に細身のアーム式スタンド・ライトである。「病室で患者さんが力を入れずに気軽に使える」(同社)。
ただし、これらの独自開発の照明器具の発売は未定であるという。