図1 インタビューに応じたAltera社Vice President, Product Marketing, Corporate Marketing, and Technical ServicesのVince Hu氏。
図1 インタビューに応じたAltera社Vice President, Product Marketing, Corporate Marketing, and Technical ServicesのVince Hu氏。
[画像のクリックで拡大表示]
図2 Altera社が採用するIntel社の14nm世代トライゲート技術
図2 Altera社が採用するIntel社の14nm世代トライゲート技術
[画像のクリックで拡大表示]

 大手FPGAベンダーの米Altera社と半導体世界最大手企業の米Intel社は、Altera社の将来のFPGA製品を、Intel社の14nm世代のトライゲート・プロセス技術で製造することで合意したと発表した(Tech-On!関連記事1Tech-On!関連記事2)。ファブレス半導体ベンダーであるAltera社はこれまで、FPGAの製造をシリコン・ファウンドリ最大手の台湾TSMCに委託してきた。今回の決断に至った背景や今後の見通しなどについて、Altera社Vice President, Product Marketing, Corporate Marketing, and Technical ServicesのVince Hu氏に、電話会議システムを通じてインタビューした。(聞き手:大石 基之=日経ものづくり)

問  Altera社の発表では、14nm世代向けにはIntel社のトライゲート・プロセスを用いる一方で、20nm世代向けにはTSMCのプレーナ・プロセスを用いる、といった形で、プロセス技術の組み合わせを強調する内容となっている。これを私なりに解釈すると、同一の時期に、製品の種類によって、14nm技術や20nm技術を使い分ける方針のように見える。

Hu氏   その解釈は正しい。おそらく、Intel社がAltera社向けに14nm世代の量産を始めた後も、我々が提供する製品すべてを14nm世代で製造することはなさそうだ。もちろん、Altera社の高機能・高性能FPGAは、14nm 世代のトライゲートの性能を必要とするだろう。その一方で、低コストを売りにするFPGAなどでは、高機能・高性能FPGAに比べて、それほど先端の半導体技術を必要としないと考える。回路規模はそれほど大きくないにもかかわらず、I/O数が多いような半導体では、先端の半導体技術を使って回路面積を小さくしても、I/O部分を小さくできずに、結果としてチップ面積を縮小できない場合があるからだ。こうした「I/O limited」な製品では、14nm世代は不要で、20nm世代の半導体技術で製造することが最適な場合があると考えられる。ましてや、回路規模によっては、その20nm世代すら必要とせず、28nm世代で十分という製品があるかもしれない。これからは、製品によって、プロセス技術のテクノロジ・ノードを使い分ける時代が始まるだろう。

問  Altera社はこれまで、同一のテクノロジ・ノードにおいて、複数のプロセス・オプションを使い分けることが多かった。例えば28nm世代では、高性能・高機能FPGA向けに28nm High Performance(28HP)プロセス技術を使い、低コストFPGAには28nm Low Power(28LP)プロセス技術を利用するといった形だ。Altera社が今回採用を決めたIntel社の14nm世代のトライゲート・プロセスでは、どのようなプロセス・オプションを用いるのか。

Hu氏  我々が採用するIntel社のプロセス・オプションは1種類、すなわちIntel社のマイクロプロセサ向けの標準プロセスである。この標準プロセスを利用すると、Intel社が世界中に展開しているどの工場でも、品質や特性にバラつきが少ないFPGAを製造できるというメリットがある。