【図1】JQAから認証書を受け取るCYBERDYNE代表取締役CEOの山海嘉之氏(中央)。右が、ロボットスーツHAL福祉用の装着者。
【図1】JQAから認証書を受け取るCYBERDYNE代表取締役CEOの山海嘉之氏(中央)。右が、ロボットスーツHAL福祉用の装着者。
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【図2】JQAに発行されたISO/DIS13482の認証マークを貼り付けたロボットスーツHAL福祉用。
【図2】JQAに発行されたISO/DIS13482の認証マークを貼り付けたロボットスーツHAL福祉用。
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 CYBERDYNE(本社茨城県つくば市)は2013年2月27日、同社が開発した装着型ロボット「ロボットスーツHAL福祉用」が、パーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する国際規格の認証を取得したと発表した。具体的には、2011年9月に発行された国際規格原案「ISO/DIS 13482:2011」に基づいて、日本品質保証機構(JQA)がロボットスーツHAL福祉用の安全性を評価し、世界で初めて認証した(JQAのニュースリリース)。

 CYBERDYNEは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2009年から実施する「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の成果を導入してロボットスーツHAL福祉用の現行モデルを開発。2010年からはロボットスーツHAL福祉用のレンタル/リースを開始し、現時点では約150施設で300数十体が稼働しているという。

 同プロジェクトでは生活支援ロボットの安全技術や安全検証手法の開発を進めると同時に、国際標準につなげる提案活動や認証手法の開発も行ってきた。このため、ロボットスーツHAL福祉用の現行モデルは安全性を大幅に向上した製品となっていたが、2011年9月にISO/DIS 13482が公開されたのを機に、安全性に関する第三者評価を受けることが可能になった。

*1 正式には「ISO/DIS 13482 Robots and robotics device ― Safety requirement for non-industrial robots ― Non-medical personal robot」。対象となるのは装着型ロボット(physical assistant robot)と、「mobile servant」、「person carrier robot」の3タイプとなる。

 JQAはISO/DIS 13482に基づいてリスクアセスメントの項目や、電気的な安全性、耐久性、可動部での挟み込みの有無といった具体的な基準を決め、ロボットスーツHAL福祉用を評価した。認証でも、NEDOの生活支援ロボット実用化プロジェクトの成果を活用している(NEDOのニュースリリース)。認証のための安全性試験は、同プロジェクトの研究施設である「生活支援ロボット安全検証センター」で実施された。

 なお、ISO/DIS 13482は国際規格原案という段階で、2013年夏ごろにはIS(国際規格)としての正式発行が見込まれている。