内閣官房長官の菅義偉氏は2013年2月22日の記者会見で、医療イノベーション推進室を廃止し、「健康・医療戦略室」を設置すると発表した。医療機器などの医療関連分野を「戦略産業として育成し、日本経済再生の柱とすることを目指す」(同氏)ため、体制の強化を図った格好だ。今回廃止された医療イノベーション推進室は、日本発の医薬品や医療機器などを生み出し、実用化する「医療イノベーション」を促すため、国の司令塔組織として2011年1月に発足した(関連記事)

 新設された健康・医療戦略室は、菅氏の直轄組織となる。内閣総理大臣補佐官の和泉洋人氏が室長に就く。次長には、厚生労働省、文部科学省、経済産業省の審議官級の人材を投入し、各府省が一体となった実施体制を敷く。

 今回の健康・医療戦略室の設置に併せて、厚生労働省は同日、厚生労働大臣を本部長とする「健康・医療戦略厚生労働省推進本部」を設置することを発表した。「医薬品」「医療機器等」「再生医療」「国際展開」の四つのタスクフォースを設置する。