貸出機の外観
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タッチポイントでコンテンツをダウンロードしたところ
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micro SDカードスロットに挿されたTransferJetの無線機
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 TransferJetコンソーシアムはカメラ関連の展示会「CP+2013」(2013年1月31日~2月3日、パシフィコ横浜)において、近接無線規格「TrasferJet」を搭載したタブレット端末を使って各社のブースのカタログ・データをダウンロードできる実証実験を実施した。

 実証実験に参加する来場者は、免許証と携帯電話番号を係員に提示して端末を借りる。コンソーシアムの協力企業のブースには、TransferJetの通信機が置かれており、借りた端末をそこにかざしてカタログをダウンロードできる。TransferJetは理論上560Mビット/秒(70Mバイト/秒)なので、100Mバイト程度のデータであっても、数秒でダウンロードが完了する。

 提供された端末にはカバーが掛かっていたり、名札が付いていたので正確には分からなかったが、見えている部分から判断する限り、東芝製の7型程度のディスプレイを持つAndroid搭載のタブレット端末であることが判明した。TransferJetの通信機はmicro SDカード型のもので、タブレット端末のmicro SDカード・スロットに搭載していた。

 今回の実証実験の狙いをTransferJetコンソーシアムの説明員は「実際に来場者に使ってもらって、使い勝手の良さを感じてもらうこと」とする。NFCと無線LANを組み合わせることで高速のデータ通信が可能ではあるが、展示会場や駅、店舗などの場所では無線LANが使用する2.4GHz帯は混雑しており、十分なスループットが得られないケースがある。また、NFCと無線LANという無線技術を使うため、動作が複雑だ。「TransferJetは(近接通信であるので)電波の混雑を気にする必要はない。一つの無線技術で接続からデータ交換まで全てが完結するような仕組みが求められるシーンは今後増える」(説明員)という。

 とはいえ、スマートフォンやタブレット端末にTransferJetが搭載されなければ、なかなか応用シーンが広がらないといういわゆる“鶏と卵”の問題がある。これに対しては「TransferJet無線機搭載のmicro SDカードやMicro-USBドングルを数千円で発売し、そこに機器販売額と同額のコンテンツ購入チケットをバンドルするという方法で広められるのではないか」(説明員)とする。この施策の一方で、書店や駅などにTransferJet対応のキオスク端末を設置し、電子書籍や動画のコンテンツを購入して、ダウンロードできるようにするわけだ。