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NECエンジニアシングは、LSI設計の品質維持のために資格制度を導入している。これまで以上に技術力の向上が必要になるとみて、資格試験で受験者の上位10%に相当する「戦略資格」の取得者をまずは技術者の半数にする。資格試験の活用方法について、同社の基盤テクノロジー事業部CS品質保証部シニアマネージャーの三橋薫氏に聞いた。

LSI設計の品質を維持する目的で試験資格制度を設けていると聞きました。

 当社では、「EP資格」すなわちNECエンジニアリング・プロフェッショナル資格を定めています。取得することで成果に結び付くと当社が考えている資格です。その中で業績に直結するEP資格を「戦略資格」と位置付けています。戦略資格の取得数によって事業部の評価も変わります。以前は、SoC設計などLSIに関する資格が少なく、導入できるものを探していたところ、現在採用している「ESA」を見つけました。2010年1月に導入する方針を決め、この年から資格試験を定期的に実施しています。

具体的な活用方法を教えてください。

 ESAの結果は点数で表されます。100点満点で75点以上をエキスパート、60点以上をマスター、45点以上をビギナーとしています。エキスパートは戦略資格、マスターとビギナーがEP資格となります。45点未満は不合格です。区切りの点数は、分布を考慮して決めました。例えば、ESAの試験で75点以上としているのは受験者の上位10%に相当し、社内の他の戦略資格の分布と合わせています。なお資格の取得状況は個人の評価や昇進には直結しません。点数だけでは測れない面があるからです。