スマートテレビでは、Google社の「Google TV」や、テレビ・メーカー各社が独自に開発するソフトウエア基盤の開発動向に加え、携帯端末と大画面テレビを連動させる、いわゆる「マルチスクリーン」を用いた新サービス、現状のリモコンに代わる新しいテレビ向けのユーザー・インタフェースなどの提案が相次ぐことになりそうだ。既存の大画面テレビを「スマート化」する、セットトップ・ボックス型の端末や、HDMI端子に接続するドングル型の端末などでも新技術が登場するだろう。

 大手自動車メーカーによる技術提案が増えそうなことも、今回のCESの特徴だ。大手自動車メーカー8社が出展。これは、同展示会ではこれまでで最多の規模になる。トヨタ自動車は、自律運転や運転者支援に関する技術を公開する。こうした、いわゆる「ロボットカー」を目指す技術では、独Audi社も技術を公開するとの報道もある。車載用の端末技術や通信サービスなどの提案も増える可能性が高い。

 デジタルカメラでは、関連の展示会「PMA」が2012年に続きCESと併催される。この1年ほどで発表が相次いだコンパクト型デジタルカメラの高級機種の最新動向が関心を呼びそうだ。

電源コンセントの姿を変える通信技術に注目

 この他、インタフェース関連では、家庭やオフィスで利用している既存の電源コンセントの姿を変える可能性を秘めた通信技術が注目を集める。例えば、USBで最大100Wの電力を機器に供給できる「USB Power Delivery Specification(USB PD)」である。USB 3.0の標準化を進める「USB 3.0 Promoter Group」が2012年7月に仕様を策定した。Ethernetでも電力供給規格「Power over Ethernet(PoE)」を100W前後の供給に大電力化する技術の開発が進んでいる。データ通信と電力供給を共通のケーブルで実現する動きが、従来の携帯機器に加え、LED照明やパソコン、据置型の家庭用ゲーム機などさまざまな機器に広がることになりそうだ。

 こうした取り組みは、今回のCESで提案が相次ぐと期待される、「HEMS(home energy management system)」のような家庭内の電力管理システムの普及にも追い風になる可能性がある。60GHz帯のミリ波通信を用いたHD映像の伝送技術「WiGig」や「IEEE802.11ad」などの無線通信技術の進化と並行しながら、携帯端末や家電を互いに連携させる新しいアイデアを生むタネになるだろう。