矢崎総業の中国工場で、2012年11月22日午後に従業員によるストライキが発生したことが分かった。これにより、一時、ある顧客向けのワイヤハーネスの生産が停止。その後、生産は再開し、2012年11月28日16時30分ごろの同社からの情報によれば、「生産量がほぼ100%に戻った」という。このストライキによる納品に関する影響は「最小限になるように努める」(同社)。ストライキによる損失額については明かしていない。

 ストライキが起きたのは、中国広東省スワトー(スワ=さんずいに山、トー=頭)市にある、同社の現地法人であるスワトー経済特区矢崎汽車部件の本社工場。同工場は老朽化しており、安全性を考慮して閉鎖することが決まっていた。同工場には「F4」と「F5」という2棟の建物があり、前者で働く従業員を2012年に、後者で働く従業員を2013年に本社工場から「クルマで数十分ほど離れた」(同社)分工場へと異動する計画だった。

 ところが、F4の生産ラインで働いていた1200人の従業員のうち、約2割に当たる250人ほどが異動を拒否するストライキを起こしたという。なお、「反日」をうたった動きは見られないようだ。

 一部中国紙が報じた「日本人管理者による暴行」があったとの事実関係については「把握していない」(同社)という。

■変更履歴
記事掲載後に、矢崎総業から状況が変わったとの連絡を受け、同社から得た最新の情報に基づき記事タイトルと本文を修正しました。 [2012/11/28 17:20]