家電コントローラーを装着したCOCOROBO RX-V100(左)と、新発売のRX-V60(右)
家電コントローラーを装着したCOCOROBO RX-V100(左)と、新発売のRX-V60(右)
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家電コントローラーをUSBポートから取り外した様子。
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「間取りマップ」に配置する家電や家具のアイコン
「間取りマップ」に配置する家電や家具のアイコン
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作成した「間取りマップ」の例
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シャープ製のLED照明器具を家電コントローラーを装着したCOCOROBO RX-V100経由で遠隔操作するデモの様子。
シャープ製のLED照明器具を家電コントローラーを装着したCOCOROBO RX-V100経由で遠隔操作するデモの様子。
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ダイニング・チェアの脚の間を動いて掃除するRX-V60
ダイニング・チェアの脚の間を動いて掃除するRX-V60
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 シャープは2012年11月21日、同社のロボット掃除機「COCOROBO」の「RX-V100」にスマートフォンから遠隔操作できる機能を追加したと発表した。さらに別売りの赤外線アダプタを装着すれば、シャープ製の家電製品のオン・オフなども遠隔操作で可能になる。加えて、小回りが利くように従来より直径が4.7cm小さい「RX-V60」も新たに発売する。

 COCOROBO RX-V100に追加するのは、スマートフォンの専用アプリを介して外出先からCOCOROBOを遠隔操作できる「COCOROBOナビ」機能。2012年12月13日にサービスを開始する。

 同機能では、利用者が、家の間取りをスマートフォンの画面上で作成しておくと、外出先でもCOCOROBOが掃除する、または移動する経路や場所を間取りを見ながら具体的に指示することができる。このため、ペットのいるところまでCOCOROBOを移動させて内蔵するカメラでペットの様子を確かめることができるという。ただし、利用者の家には、インターネットに接続された無線LAN環境があることが前提になる。

 シャープは、COCOROBOナビのサービス開始と同時に、USBポートを介してRX-V100に装着できる赤外線リモコン「家電コントローラー(RX-CU1)」も発売する。家電コントローラーを装着しておくと、スマートフォンからの指示によってCOCOROBO経由で、テレビ、LED照明、エアコンなど各種家電のオン・オフを実行できる。遠隔操作できる家電は、サービス開始時点ではシャープ製に限られるが、順次他社製品にも対応していく。「家電コントローラーの推定価格は1万5750円」(シャープ)だという。

 部屋の間取りは、利用者自身が間取りを実際に測ったデータを基に、アプリ上で図面を引くように作成する。家電製品などは用意されたアイコンを配置すればよい。「天井に設置する照明と、床に設置するテレビでは、COCOROBOが取り得る経路に違いが出てくる」(シャープ)。

 ロボット掃除機は、掃除する際、一般に部屋の間取りを自動作成しながら、掃除漏れがないように部屋を走行する。シャープは、「その機能を利用して間取りマップをCOCOROBO側で作成することも検討したが、座布団などの有無で部屋の形がその都度、変わってしまうため、今回は利用者に作成してもらうようにした」(シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 兼 A1269プロジェクトチーム統括責任者の阪本実雄氏)。

 シャープは、これらとは別に小型版の「COCOROBO RX-V60」も同12月13日に発売する。これは、従来の製品では椅子の脚の間などに入れないことがあるという要望を受けたためとする。RX-V60の直径は29.9cm。「これでおおよそ80%のダイニング・チェアの脚の間に入れるようになった」(シャープ)という。価格は7万5000円前後になる見通しである。

 RX-V60は機能上は、2012年6月に発売したRX-V80とほぼ同じ。違いは、「(電池が小型化したことで)動作時間が短くなったことぐらい」(シャープ)。RX-V80とRX-V60は共に、しゃべることはできるが、音声認識機能はなく、無線LAN機能、カメラ、USBポートなども備えていない。このため、COCOROBOナビや家電コントローラーには対応しない。

 シャープは、これらロボット掃除機の売り上げ目標を「今年度はCOCOROBOシリーズ全体で70億円、その後は年間300億円にしたい」(同社)とする。台数ベースでの目標は明らかにしていないが、RX-V100の現時点の実勢価格は約8万円、RX-V80は約5万円とみられることから、計9万~14万台が今年度の発売目標と見られる。一方、ロボット掃除機で先行する米iRobot社の「ルンバ」の2012年度の国内出荷目標は約25万台。シャープは初年度で、かなりの市場シェアを握ることを狙っているようだ。