人差し指の部分で計測している
人差し指の部分で計測している
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乳がんチェッカー。模式的に乳がんの箇所(赤い部分)を作り、センサが反応することをデモしていた
乳がんチェッカー。模式的に乳がんの箇所(赤い部分)を作り、センサが反応することをデモしていた
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 日本大学は、2012年11月14~17日にドイツ・デュッセルドルフで開催された「MEDICA 2012」で、指を触れるだけで計測可能な血圧計を展示した。カフ(圧迫帯)なしで計測できるため、乳幼児や高齢者などの血圧計測が容易になる利点がある。

 血圧計に配置された小さなボタン形状の部分に指を触れることで、血圧を計測できる。ボタン形状の箇所には、LEDとフォトトランジスタを配置している。LEDから発した光が指で反射し、その反射光をフォトトランジスタで検出する。

 具体的な計測の仕組みは明らかにしていないが、日本大学 工学部 教授の尾股定夫氏が開発した「位相シフト法」と呼ぶ技術を用いていると説明する。位相シフト法は、外部駆動電源を利用せず、センシングした信号を利用してシステムを駆動させる技術。これにより、「部品点数が少なくなり小型化しやすい他、S/N比が大幅に高まる」(同氏)という。

 同様に、位相シフト法を利用した「乳がんチェッカー」も展示した。乳がんチェッカーは前回のMEDICAでも展示していたが、大幅に小型化したり、音や光で反応を知らせる仕組みを導入したりするなど、使い勝手を高めた。がんが存在する場合は、血管が集まることで周囲と色が微妙に変わる(赤くなる)ため、光が吸収されて反射光が減るという。この変化を検知する仕組みである。