金型は、倉庫以外でも工場内あちこちに置かれている。成型は産業用ロボットを使い、2枚の金型の間に溶かした樹脂を流し込こんでプレスをかける作業だ。
製造工場を出るとそこは、物流センターとしての倉庫だった。運搬コストを最小限にするため、工場と物流倉庫は一つの建屋の中で一体となっている。搬出が頻繁に行われる売れ筋の製品は、人が歩いていける部分に置かれているが、それ以外の製品は、一般には人が立ち入らない自動倉庫に保管されている。自動倉庫は、昔のジュークボックス、あるいは自動車のタワー式駐車場のように、製品の出し入れを機械的に行えるようにした倉庫である。実際、製品は垂直方向に伸びた「棚」に保管されており、それを取り出すための機械が上下に動いている。