(その3から続く)
米Apple社の「iPad mini」に搭載される主要部品の観察を進める日経エレクトロニクス分解班。機器のユーザー・インタフェースを司るタッチ・パネルに続いて着眼したのは、機器の“顔”である液晶パネルだ。
iPad miniに搭載されている液晶パネルは、画面寸法が7.9型で、画素数が1024×768である。精細度は163ppiであり、Apple社製品の特徴の一つである“Retina(網膜)ディスプレイ”ではない。液晶パネルがRetina対応でないために、iPad miniの購入を躊躇しているユーザーも多いだろう(ちなみに今回の分解班メンバーその一人だ)。
ごく一般的ともいえる、液晶パネルの供給メーカーはどこか。分解班は、液晶パネルの周辺をくまなく観察した。すると、液晶パネルのフレキシブル基板上に“LG Display”の刻印を発見した。iPad miniの液晶パネルは、韓国LG Display社が供給しているとみて間違いないだろう。なお、米IHS iSuppli社など複数の調査会社によると、液晶パネルの供給メーカーは、LG Display社と台湾AU Optronics(AUO)社が供給しているという。今後、仮にRetina対応が進んだ際に、パネル供給メーカーが変更されるのかどうか、興味深いところである。
液晶パネルの背面にはプリント基板があり、大きく二つのICが実装されている。韓国Samsung Electronics社製の「W1232 S6TNMR1X01」と韓国Silicon Mitus社製の「SM4031 DA1232 SMCP043」である。両者のポートフォリオから推測すると、Samsung社製が液晶パネル用駆動IC、Silicon Mitus社製が液晶パネル用電源制御ICとみられる。
これで表示部(タッチ・パネルと液晶パネル)の観察はひとまず終了。最後は、メイン基板を観察する(その5に続く)。