医療観光に沸く展示会

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2011 Daegu MEDIweek の様子

 テグ市が医療観光の強化に力を注ぎ始めていることは、先端医療複合団地の起工式と同時期にDaegu EXCOで開催された展示会「2011 Daegu MEDIweek」(2011年10月27~29日)からも見て取れた。

 Daegu MEDIweekは、毎年実施されている地域最大の医療展示会で、今回は地域の医療施設や企業など約150の機関が出展した。大きく「健康医療産業展」「漢方EXPO」「医療観光展」の三つの専門展示会で構成されており、このうち医療観光展は今回初めて開催されたという。

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医療観光に関するパンフレット

 実際に展示会場を歩いてみると、この医療観光展に多くのスペースが割かれていた。医療観光に関するパンフレットなども散見された。

 テグ市の医療観光の内容などを紹介する「医療観光新聞」も毎月発行されているようで、発行元の展示ブースには新聞の見本が置かれていた。「2012年以降、発行頻度を(月に1回から)さらに高める計画だ」(同展示ブースの説明員)とする。なお、同説明員によれば、医療観光でテグ市に訪れた患者は、2010年に8万2000人だったという。

現在は美容系が中心

 今回展示会場でアピールされていた医療観光は、美容系の内容が中心だった。整形手術や毛髪移植、美肌エステ、審美歯科治療などである。また、テグ市に歴史がある漢方医療に関する医療観光の展示も見受けられた。

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美容整形は医療観光のウリの一つ

 美容整形に関する医療観光をアピールしていた、ある展示ブースの説明員によれば、「手術代は、同様の内容を日本で受けた場合の1/3で済む」としており、価格の安さが最大のアピール・ポイントのようだ。「現時点では日本語での案内は用意していないが、口コミなどで日本からの患者も多く来ている」(同説明員)という。

 将来は、こうした美容系の医療観光だけにとどまらず、先端医療複合団地で開発したIT系の技術などをウリにした展開を考えているというわけである。