システムの概要
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展示システムの全体像
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 NTTは複数のアクセス・ポイントを協調させることで、全体としての電力効率を最適化する無線LANシステムを開発し、「NTTつくばフォーラム2012」(2012年10月18、19日、つくば市)で展示した。このシステムが効果を発揮するのは、公衆無線LANの基地局が面的に広がった場所。無線LAN基地局が太陽光パネルや2次電池を持ち、日没後に電池残量が少なくなった際などを想定して開発された。

 この無線LANのシステムは、複数のアクセス・ポイントとセンターにあるデータベース・サーバーから成る。無線LANの端末は、一般に最も信号強度が強いアクセス・ポイントに接続しようとする。現在接続されているアクセス・ポイントの電池残量が少なくなった場合、そのアクセス・ポイントは、データベースに問い合わせを行い、「現在接続中の端末が自身以外のどのアクセス・ポイント接続可能か」「そのアクセス・ポイントは十分な電池残量があるか」などの情報を取得する。これらから端末が次につながるべき最適なアクセス・ポイントを割り出し、そのアクセス・ポイントに接続するように端末を誘導する。具体的には、端末からの接続要求を拒否し続けることで、別のアクセス・ポイントへの接続をさせる。接続させたいアクセス・ポイントにはあらかじめ、接続を許可するように指示を送っておく。

 他のアクセス・ポイントに端末の接続を誘導した後は、電池残量の少ないアクセス・ポイントは間欠動作に移行する。具体的には、ビーコンを使って一定期間ビジーであることを広告し、その間、スリープする。この仕組みは、既存の無線LAN(IEEE802.11シリーズ)の規格に乗っ取っているため、端末側でのソフトウエアやハードウエアの変更は必要ない。