スマートフォン市場で巻き返しを図る
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シャープの大畠氏
シャープの大畠氏
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年末商戦向けに7機種を投入
年末商戦向けに7機種を投入
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IGZOパネル搭載モデルを一挙に拡大へ
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IGZOパネルを搭載した「AQUOS PAD」
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 「IGZOはスマートフォン事業における競争力の源泉。今後、IGZO搭載モデルを一気に拡大し、国内携帯電話機市場でのシェアを回復させたい」(シャープ 執行役員 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏)――。

 シャープは2012年10月23日、年末商戦向けに国内の携帯電話事業者3社から発売される携帯電話機とタブレット端末について、東京都内で説明会を開催した。スマートフォン3機種、フィーチャーフォン2機種、タブレット端末1機種の計7機種である。うちスマートフォン1機種とタブレット端末には、同社が業界に先駆けて量産化したIGZO TFTを用いた液晶パネル(以下、IGZOパネル)を搭載した。

 登壇した同社の大畠氏はまず、携帯電話機事業の現状について説明した。シャープは国内の携帯電話機市場で長く首位の座にあったが、2011年度に3位に陥落した。その要因については、「グローバル端末の国内への流入や、プロセサの高速化などによる高機能化、LTE(long term evolution)をはじめとする新しいキャリア・サービスの登場といった変化への対応で遅れ、競争力を落とした」(同氏)とした。今後は「2012年度上期をボトムとして国内でのシェアを回復する」(同氏)狙いであり、低電力で高精細なIGZOパネルをその原動力としたい考えだ。

 今回の7機種のうち、IGZOパネルを搭載したのは、NTTドコモから発売するLTE対応スマートフォン「AQUOS PHONE ZETA (SH-02E)」と、KDDIから発売するタブレット端末「AQUOS PAD (SHT21)」。残るスマートフォン2機種は、KDDI向けのLTE端末「AQUOS PHONE SERIE(SHL21)」とソフトバンク向けのLTE端末「AQUOS PHONE Xx(203SH)」。フィーチャーフォン3機種は、NTTドコモ向けの「SH-03E」と、ソフトバンク向けの「PANTONE 6(200SH)」および「PANTONE WATERPROOF(202SH)」である。

 AQUOS PHONE ZETAには4.9型で1280×720画素のIGZOパネルを搭載した。IGZOパネルの消費電力の低さなどを生かし、「性能には妥協せずに高性能の(クアッドコア)プロセサを搭載し、しかも丸2日間使える“Smart 2Days”を目指した」(大畠氏)とする。同社として初めてAQUOSブランドを冠したタブレット端末であるAQUOS PADには、7.0型で1280×800画素のIGZOパネルを搭載した。端末の幅が106mmと短いうえに280gと軽量であるため、「片手で“持てる”だけではなく、片手で“握れる”。そのグリップ感が大きな特徴だ」(シャープ 通信システム事業本部 マーケティングセンター 所長の河内厳氏)とする。同社のスマートフォンおよびタブレット端末におけるIGZOパネル搭載率は、2012年度下期時点では出荷台数ベースで30%強となる見通し。2013年以降にその比率を高めるといい、海外市場向け端末への搭載も検討する。

 シャープは現在、中国市場向けの携帯電話機事業に関して、台湾Hon Haiグループとの協業を進めている。これについては、Hon Haiグループとの協業に基づく第1弾端末を2012年8月末に中国と香港、台湾で発売したことを明らかにした。「現在は1モデルだが、この先は投入モデル数を増やしていきたい」(大畠氏)とする。この協業においても、IGZOパネルを活用していく考えだ。