「ワイヤレス電力伝送技術の実用化に向けたロードマップ」
「ワイヤレス電力伝送技術の実用化に向けたロードマップ」
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 国内メーカーなどで組織する業界団体「ブロードバンドワイヤレスフォーラム(BWF)」は、ワイヤレス給電技術の実用化に向けたロードマップをまとめた。将来の家電機器や電気自動車(EV)による活用を主眼とした開発および標準化ロードマップで、海外の規格標準化にあわせ、国内の技術基準策定の必要性に言及している。

家電機器とEVに向けた商用シナリオ示す

 このロードマップは、BWF内の作業部会「ワイヤレス電力伝送WG(WPT-WG)」がまとめたもの。WPT-WGの担当者が、総務省が主催する研究会「電波有効利用の促進に関する検討会」で資料として示した。

 ロードマップでは、家電機器およびEVに向けたワイヤレス給電技術の商用化シナリオを示した。家電機器向けでは、供給電力が5W程度の用途(携帯電話機やスマートフォンの非接触充電)で既に用いられているが、2013年~2014年末には50W以下クラスの用途(各種モバイル機器、ポータブル機器、ウェアラブル機器など)が商用化段階を迎えると予測する。さらに2015年以降は、50W~数百Wクラスの用途(大型テレビや高機能パソコン、白物家電)などが実現されると想定している。その後2020年にかけて、掃除機への電力供給などに向けた数kWクラスの用途が出現するとした。

 一方でEVに関しては、2014年末頃までが研究開発および試験段階であり、2015年~2020年が導入段階になるという。一般家庭用のEVの非接触充電用途に広く普及するのは、2021年以降とみる。「走行中給電」といった将来技術は、さらに先になるという位置づけである。