図1 発表会はCMキャラクターが登場。左から俳優の伊勢谷友介さん、女優の剛力彩芽さん、KDDIの田中氏、女優の井川遥さん
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図2 2012年冬モデルは全10機種
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図3 LTEサービスは、2013年以降に112.2Mビット/秒に高速化
図3 LTEサービスは、2013年以降に112.2Mビット/秒に高速化
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図4 LTE網にピコセルを導入
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図5 「Optimized Handover」技術で、LTEから3G網への切替がスムーズに
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図6 家庭内での無線LAN接続サービスは150Mビット/秒に
図6 家庭内での無線LAN接続サービスは150Mビット/秒に
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 KDDIは2012年10月17日、2012年の冬商戦向けのスマートフォン9機種とタブレット端末1機種を発表した。全10機種が、下りのデータ通信速度が最大75Mビット/秒のLTEサービスに対応する。同年11月2日に「世界初」(KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏)となる8機種の同時発売を皮切りに、順次市場に投入していく。

 発表された新機種は、すべて米Google社のソフトウエア・プラットフォーム「Android」に対応する。「冬商戦のフラッグシップ・モデル」(KDDIの田中氏)という台湾HTC社製の「HTC J Butterfly」には、1920×1080画素のフルHD映像を表示できる5型液晶パネルを搭載する。唯一のタブレット端末であるシャープ製の「AQUOS PAD」には酸化物半導体のIGZO TFT駆動の7型液晶パネルを備える。なお、2013年の春商戦向けには、デザイン性を高めたiidaブランドで展開するスマートフォン「INFOBAR」のLTE対応機種を投入するという。

3月末にはカバー率96%に

 「75Mビット/秒の高速LETサービスを全国で垂直立ち上げすることで、消費者を新たな世界にお連れする」――。新製品発表会に登壇したKDDIの田中氏は、LTEサービスを手掛ける競合他社に対する優位性をこのように表現した。

 KDDIは2012年9年21日に、下りのデータ通信速度が最大75Mビット/秒のLTEサービス「4G LTE」を開始したばかり。それにもかかわらず、実人口カバー率は2012年10月末時点で84%に達するという。これを2013年3月末には96%まで高めていく考えだ。さらに、2013年以降は下りのデータ通信速度を最大112.5Mビット/秒に高速化していくという。

ピコセルを導入

 KDDIの田中氏が強調したのが、LTEサービスへの接続性の高さだ。800MHz帯という「日本で最もつながりやすい帯域で導入した」(KDDIの田中氏)。さらに、一般的な基地局である「マクロセル基地局」に出力が数W以下の小型基地局「ピコセル基地局」を組み合わせることで、カバー範囲を拡大した。ただし、現時点では基地局間の協調制御は行っていないという。

 移動中にLTEから3Gの通信エリアに切り替わる際には、LTE通信を介してあらかじめ端末に3G基地局の情報を配信すると共に、基地局間で情報をやり取りし、3G通信に必要な処理を端末が3G回線につながる前に完了しておく「Optimized Handover」と呼ぶ技術を導入した。これにより、「LTEから3Gにエリアが切り替わっても、途切れる心配はない」(田中氏)とする。

 さらに、家庭内での無線LAN接続サービスの高速化も図った。新機種は5GHz帯を用いたIEEE802.11nに対応する。KDDIが提供する無線LANルーター「HOME SPOT CUBE」に接続した際に、下りのデータ通信速度が最大150Mビット/秒の高速接続が可能になるとする。