ペンの動きで画面に表示させた図形を動かしている
ペンの動きで画面に表示させた図形を動かしている
[画像のクリックで拡大表示]
ペンで描いた文字イメージがスマホに取り込める
ペンで描いた文字イメージがスマホに取り込める
[画像のクリックで拡大表示]

 米Knowles Electronics社は、Siマイク(MEMSマイク)の新しい応用方法として、ジェスチャ認識技術を開発した。「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2~6日、幕張メッセ)において、デモンストレーションしている。

 開発した技術では、同社がスマートフォン(スマホ)向けに出荷しているSiマイクを超音波センサとして使い、ペン先に付けた超音波発信源の位置を特定する。既存の多くのスマホには3個など複数のSiマイクが搭載済みである。可聴帯域の音声を拾うことが本来の目的だが、70kHz程度までなら可聴帯域並みの感度で検出できる。超音波発振器モジュールを付けたペンを動かすと、3個のSiマイクで発振器の3次元的な位置をリアルタイムで特定でき、ジェスチャ認識が可能になる。超音波は可聴帯域の音波よりも指向性が高いため、ジェスチャ認識の精度はより高くなる。

 デモンストレーションでは、ペン先をスマホの前で動かしてジェスチャとして認識させたり、スマホ近くのノートに文字を書いてそのイメージをリアルタイムにスマホへ取り込んだりしていた。スマホには、3個の同社製Siマイクと米Qualcomm社のチップセットを搭載した機器を使っている。ペン先の超音波発振モジュールは市販の村田製作所の製品である。

 実現に必要なハードウエアは、超音波を出力するペンを除くと、既に多くのスマホに搭載済みである。追加で必要になるのは、チップセットのコーデックLSIあるいはアプリケーション・プロセサのDSPに搭載する位置検出用ソフトウエア程度である。Knowles社では、パートナ企業とともに製品化に向け今後も開発を続ける。