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文科省、概算要求額110億円の来年度の新政策COI事業を説明

丸山正明=技術ジャーナリスト
2012/10/05 15:00
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図●「革新的イノベーション創出プログラム」の概要説明
図●「革新的イノベーション創出プログラム」の概要説明
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 文部科学省は2012年10月4日に東京都千代田区で「日本再生を牽引するセンター・オブ・イノベーション(COI)の構築」事業説明会を開催した。平成25年度(2013年度)から始める新政策「革新的イノベーション創出プログラム」(通称、COI STREAM)の概要を、大学や公的研究機関(研究系独立行政法人)などに事前に説明し、来年度の公募などを準備するガイドラインを示すためである。

 今回の事業説明会は、9月上旬に文科省が平成25年度の概算要求を発表したことを受けたもの。その中の目玉施策の一つとなる新政策「革新的イノベーション創出プログラム」の概要を説明し(図)、「日本が成長する革新的イノベーションを創出する」などの問題意識を、文科省科学技術・学術政策局は冒頭に説明した。そして、新施策によって、日本国内に世界と戦える大規模産学連携研究拠点を形成する狙いや戦略などを説明した。

 概算要求額約110億円(すべてが新規予算ではない)と巨額予算の「革新的イノベーション創出プログラム」の主要な構成要素施策である「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」(仮称)は、日本の大学や公的研究機関などに、大規模型拠点型を約4カ所、フォーカス型拠点を約8カ所程度選定する計画だ。

 この大規模型拠点型とフォーカス型拠点は、原則3~9年間にわたって運営され、大規模型拠点型には1年当たり約7億円、フォーカス型拠点には同3億円の運営資金が投入される。さらに、大規模型拠点型とフォーカス型拠点には、それぞれサテライト拠点が約10カ所設けられる仕組みで、このサテライト拠点には1年間当たり3000万~5000万円の運営費が投入される。大規模型拠点型とフォーカス型拠点の拠点数や運営費などは「総額予算の中で柔軟に対応する」(文科省のCOI構想検討タスクフォース)という。例えば、大規模型拠点型は総員70人程度で、サテライト拠点を含めると100人程度で運営される見通し。

 今回の「革新的イノベーション創出プログラム」は、分野融合・新領域での産学連携事業である。その最大の特徴は、文科省などが設ける「COI推進委員会」(仮称)が、トップダウン型で、日本の政策課題を反映して目指すイノベーションの課題設定を定めることにある。トップダウン型で提示された課題解決策に対して、大学や公的研究機関などが解決案を提示して公募に応じる。現時点では、政策課題は、「原子レベルでの表面・界面制御」「材料と生体の界面特性の解析技術」などの科学・技術シーズに基づくフロントキャスト型(技術基点型)と、約10年後の日本社会のあるべき姿のバックキャスト型(ユーザー基点型)を組み合わせて作成する。バックキャスト型では例示として「世界に先駆けた成熟成長社会と科学的社会保護の進展」などが挙げられている。

 フロントキャスト型とバックキャスト型を組み合わせたCOI拠点の例示としては、「ヒトとロボットの境界を消し去ることで高年齢社会を支えるCOI」などが示された(ここで示した例示は、あくまでも説明用である)。

 文科省などの行政が課題設定するトップダウン型であるために、事前に新施策の概要を示し、大学や公的研究機関などに来年度への公募などの対応を準備してもらう期間を確保するために、今回の事業説明会が開催された(一部は、非公募になる可能性もある見通し)。

 「革新的イノベーション創出プログラム」の特徴は、3段階程度のステージを持ち、最初の第一ステージでは文科省・科学技術振興機構(JST)などの行政側がリスクマネーを投入し、ステージが進むに伴って、参加する企業の応分の投資マネー負担が増えていく運営資金の考え方である。これによって、「事業終了後も拠点として自立し、イノベーションを持続的に創出する仕組みを確立することを目指している」(文科省のCOI構想検討タスクフォース)という。

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