図1 「見えないガラス」の展示。5枚のガラスそのものは目視で確認が困難であるため、社名などを表示している
図1 「見えないガラス」の展示。5枚のガラスそのものは目視で確認が困難であるため、社名などを表示している
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 日本電気硝子は、表面反射率が0.08%程度と低い「見えないガラス」を、「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2~6日、幕張メッセで開催)で披露した。2011年10月に開催された、「FPD International 2011」で注目を集めたものである(Tech-On!の関連記事)。

 見えないガラスは、ガラス表面に反射防止機能膜を16層形成することで、反射率を0.08%程度に抑えたもの。従来の反射防止ガラスでは「3~5層」(同社)であるため、3倍以上となる数の膜を積層している。反射防止膜の材料そのものは、「一般的に用いられる誘電体多層膜」(同社の説明員)であり、スパッタリング法で成膜している。

 既に、美術館や宝石店などへ納入されているという。2012年7月に大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で開催された展覧会「佐伯祐三とパリ ─ポスターのある街角─」では、故・佐伯祐三氏の描いた絵画を見えないガラスで保護することで、「光の反射を抑えた展示を提供できた」(同社の説明員)とする。

 日本電気硝子は今回、厚さ100μmの超薄型ガラスの表面に反射防止膜を施したものを、「見えないガラス for タブレット」「見えないガラス for ディスプレイ」として展示し、スマートフォンやタブレット端末、モニター、テレビなど向けに積極展開していく考えを示した。厚さ100μmの超薄型ガラスを用いることで、「フィルムのように扱えるようになった」(同社の説明員)。

図2 見えないガラスの概要
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図3 「見えないガラス for タブレット」の展示。外付けのオプション品としての展開も視野に入れる
図3 「見えないガラス for タブレット」の展示。外付けのオプション品としての展開も視野に入れる
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図4 見えないガラス for タブレットの表示比較。左が施したもの
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図5 「見えないガラス for ディスプレイ」の展示。反射率が低いため、映り込みがほとんどない
図5 「見えないガラス for ディスプレイ」の展示。反射率が低いため、映り込みがほとんどない
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