富士通と富士通研究所は、ユーザーの視線を認識してパソコンの操作をアシストする技術「視線テクノロジー」を開発し、この技術を搭載したパソコンを「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2~6日)に参考出展した。
視線検出は、赤外線LEDとCMOSカメラ、画像解析ソフトウエアの組み合わせによって行う。赤外線LEDで近赤外線を照射し、近赤外線の反射をCMOSカメラで撮影する。その画像からソフトウエアによって目の位置と角膜反射を解析し、視線の角度を計算する。今回出展したパソコンでは、ディスプレイの下部に近赤外線LEDとCMOSカメラを配置している。CMOSカメラには「一般的なWebカメラと同等のカメラ・モジュールを用いた。カメラ・モジュールの前に配置する近赤外線フィルタの工夫によって実現した」(説明員)という。視線の高精度な検出を可能にしながら、小型かつ安価に実装できるようにした。
今回の展示では、検出した視線の情報を基に地図やパノラマ画像をスクロールできるアプリケーション・ソフトウエアを動作させた。例えば視線を画面の端の方に動かすと、その先が表示されるようにスクロールするものである。地図表示ソフトウエアでは「毎秒5フレーム程度」(説明員)のサイクルで視線の角度計算と再描画を実行していた。