ロームが出品した平面型LED照明
ロームが出品した平面型LED照明
[画像のクリックで拡大表示]
リードフレームの硫化を防ぐため白色樹脂層を設けている。
リードフレームの硫化を防ぐため白色樹脂層を設けている。
[画像のクリックで拡大表示]

 ロームは、高演色のLEDパッケージを使った平面型のLED照明パネルを、2012年10月2~6日に幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2012」に出品した。平面上に並べたLEDパッケージを光拡散板で覆ったもので、有機EL照明のように面全体から光を照射する。同社の蛍光体技術により平均演色評価数(Ra)98という高演色を実現するととともに、演色性の劣化を招くリードフレームの硫化を防いでいるのが特徴だ。

 一般にLEDパッケージは、LEDチップが載っているリードフレームの銀めっきが、封止材から侵入した空気中の硫化水素と反応(硫化)して黒ずんでしまい、徐々に演色性が低下する。同社が開発したLEDパッケージは、封止材とリードフレームとの間に光を反射する白色樹脂層を設けることで、硫化を防いで演色性の低下を抑えている。耐熱性も高めており、110℃で5万時間の寿命(光束が70%に低下するまでの時間)がある。特殊なLEDを採用しており、発光効率などは明かさなかったが「コスト、発光効率ともに有機EL照明よりも優れている」(同社)。実用化の時期は未定だが、技術的にはほぼ完成しており、今後同社の子会社であるアグレッド(本社兵庫県伊丹市)と製品化に向けて検討を進めたいとしている。