ハンズフリービデオフォンの試作を装着した様子
ハンズフリービデオフォンの試作を装着した様子
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ハンズフリービデオフォン。5個のカメラのうち、利用者の目を撮影する2個が見える。
ハンズフリービデオフォン。5個のカメラのうち、利用者の目を撮影する2個が見える。
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後ろから見た様子。後部にあるカメラが、利用者の背景を撮影する。
後ろから見た様子。後部にあるカメラが、利用者の背景を撮影する。
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利用者の映像(実写+CG)を使ってテレビ電話をデモ
利用者の映像(実写+CG)を使ってテレビ電話をデモ
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フレームの内側に実装を想定するバイオセンサー類のイメージ
フレームの内側に実装を想定するバイオセンサー類のイメージ
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ARショッピングの際に、商品のバッグに重畳される説明映像のイメージ。
ARショッピングの際に、商品のバッグに重畳される説明映像のイメージ。
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 NTTドコモは、CEATEC JAPAN 2012において、次世代スマートフォンを想定した「ハンズフリービデオフォン」のコンセプト・モデルを発表し、一部機能を実装した試作機を披露した。さらに、テレビ電話機能のデモも実施した。

 ハンズフリービデオフォンは、メガネのように頭部に装着したままでテレビ電話ができることを目指したヘッドセットである。実装を検討している機能は、(1)拡張現実感(AR)機能を利用したテレビ電話機能、(2)手の動きからキーボード入力を読み取る「バーチャルオフィス機能」、(3)ヘッドセットに各種センサを搭載して利用者の健康をモニタリングする「バイタルモニタリング機能」、そして(4)ヘッドセットのディスプレイに商品の説明映像などを映し出す「ARショッピング機能」などである。

 このうち、今回試作したヘッドセットでは(1)と(2)の一部を実装した。具体的に(1)については、魚眼レンズを用いるなどした小型カメラ5個をヘッドセットに実装し、そのうちの2個を用いて利用者の目やその周辺を撮影する。この映像および、あらかじめ利用者の姿を正面から撮影した映像、そしてCGなどを組み合わせて、利用者の顔などを再現する。さらに、ヘッドセットの後部に実装したカメラ1個が映す映像を、背景の映像として利用者の映像に重畳する。

 こうすると、利用者自身は手でカメラを持つ必要も、カメラ付きパソコンを目の前に置く必要もなく、自らとその背景の映像をテレビ電話の相手に送ることができる。ただし、現時点ではヘッドセットにディスプレイを実装してないため、相手の映像を見ることはできない。

 (2)の機能は、ヘッドセットの下部に実装した2個のカメラの映像から、手の動きを検知して文字入力インタフェースとして用いることが目標である。ただし今回試作したヘッドセットでは、「手のひらの動きが大まかに分かる程度」(NTTドコモの説明員)で、想定した機能は実現できていない。

 (3)~(4)の機能の実装もこれからだ。(3)では、微小な体温計や血圧計、脈拍計や体臭などを調べるバイオガス・センサなどの実装を想定し、日々の体調管理に用いる。(4)では、商品説明の映像などをヘッドセットのディスプレイにAR技術で表示し、それを音声認識機能を介して声などで選び、決済する。ヘッドセットのディスプレイに映されるARの映像が多くなりすぎると、その数などを調節するダイヤル型調節キーなどの実装も想定する。

 NTTドコモはこのヘッドセットの実用化時期を明らかにしていない。しかし、AR機能などを実装したヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)などは、米Google社なども熱心に開発中だ。遠くない将来に、こうした「スマートフォン」が実用化される可能性がある。