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 KDDI研究所は、掌紋を使用した生体認証(掌紋認証)をスマートフォンで可能にするアプリケーション「てのひらアンロック『てアロ』」を開発し、「CEATEC JAPAN 2012」に出展した。会場では、Android端末のカメラに手をかざしてロックを解除するデモンストレーションを見せていた。

 自由に動く手のひらをスマートフォンのカメラを使って認証しようとすると、手のひらの位置がずれたり画像が歪んだりするといった課題があった。今回KDDI研究所は、東北大学から提供を受けた「帯域制限位相限定相関法」による照合技術や、手のひらの位置や歪を補正する技術などを使って、この課題を解決した。

 認証には、掌紋と手相を利用している。認証する部分は、以下のように決めている。まず人差し指と中指の間、薬指と小指の間をそれぞれ「キーポイント」とする。キーポイントを結んだ中点から垂線を引き、キーポイント間の距離に対して一定比率にある垂線上の点を「重心」とする。そして、重心を中心とした、ある長さを一辺とする正方形の領域を認証領域とする。

 社内での評価実験では、登録した本人がロックを解除できる割合は98.75%(本人拒否率1.25%)、登録した本人以外がロックを解除できる割合(他人受入率)は0.00%だったとする。

 KDDI研究所は、近日中に「てのひらアンロック『てアロ』」を無償で公開する。今後は、本物の手と写真で撮影した手を見分ける機能などを追加した、法人向けの有料版の提供を予定している。