富士通研究所は、「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2~6日、千葉市、幕張メッセ)で、テレビやディスプレイの映像の中に情報を埋め込んで送信する技術を参考出展した。スマートフォンのカメラでこの情報を読み取ることを想定している。

 例えば、広告主がテレビやデジタル・サイネージのCMにID情報などを埋め込んでおき、視聴者がこの画面をスマートフォンの専用アプリで撮影すると、CMに関連したクーポンやサイトが表示される、といった用途を想定している。2次元バーコードでも似たようなことを実現できるが、2次元バーコードの場合は意識的にバーコードを撮影する必要があるが、富士通研究所の新技術は、テレビの映像を撮影するだけで情報を取得できる。

 富士通研究所の新技術は、人の目には認識できない微小な明かりを映像の中に埋め込み、この明かりを2段階の明暗で数十ミリ秒ごとに切り替えることにで「0」「1」という1ビット情報を表現する。連続して映像の明暗を制御することで、16ビットの情報を付加できるという。スマートフォンの専用アプリはこの情報をIDとしてサーバーに問い合わせ、クーポンやサイトのURLなどを取得する。16ビットの情報は0~65535の値を表現できるので、6万5536パターンのIDとして使えるわけだ。「将来には付加でき情報を32ビット、64ビットまで拡張することも検討している」(富士通研究所)という。

富士通研究所がCEATECで参考出展した、映像の中に情報を埋め込んで送信する技術
富士通研究所がCEATECで参考出展した、映像の中に情報を埋め込んで送信する技術
[画像のクリックで拡大表示]