前面パネルから金属フレームを取り外したところ。
前面パネルから金属フレームを取り外したところ。
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背面カメラの比較。左がiPhone 4S、右がiPhone 5。高さが低くなっているのが分かる。
背面カメラの比較。左がiPhone 4S、右がiPhone 5。高さが低くなっているのが分かる。
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スピーカー・ユニットの比較。左がiPhone 4S、右がiPhone 5。
スピーカー・ユニットの比較。左がiPhone 4S、右がiPhone 5。
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フラット形状の同軸ケーブル。
フラット形状の同軸ケーブル。
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その3から続く)

 前面パネルの裏面には、前面カメラや通話用スピーカーが取り付けられていたので、これらを外す。さらに、ディスプレイ部を覆うように金属板のフレームがねじで固定されていたので、これも外した。これ以上、非破壊で分解するのは難しそうだ。

 表面からの厚さをノギスで測ったところ、約2.2mmだった。iPhone 4Sのディスプレイ部は約3.1mmだったので、米Apple社の「ディスプレイ部を約30%薄型化した」という説明とよく合う。

 ちなみに、iPhone 4Sの分解では、液晶パネル・モジュールの後部に位置するバックライト部(LED、導光板、光拡散シート、輝度向上フィルムなど)を取り外すことができた。バックライト部を除くiPhone 4Sの液晶パネル+タッチ・パネル+前面ガラスの厚さは約2.2mmで、奇しくもiPhone 5のディスプレイ部の厚さとほぼ同じだ。iPhone 5では、インセル型タッチ・パネルの採用で薄くなったところにバックライト部を組み込んでいるのだろう。

 薄くなったのはディスプレイだけではない。多くの部品が薄型化されていた。例えば、背面カメラは、800万画素という仕様はiPhone 4Sと同じだが、高さが低くなっている。下部のスピーカー・ユニットも小さく薄くなった。このユニットに貼り付けられている移動通信用のシート・アンテナも小さくなっている。

 驚いたのは、メイン基板上に取り付けられていた2本の同軸ケーブルだ。フラット・ケーブルの形状だったのである。少なくとも分解班でこれまで分解したスマートフォンやタブレット端末では、こうしたケーブルが使われていたのは見たことがない。Apple社の「薄型化への執念」を感じた。

その5に続く)