KDDIのブラック・モデル(左)とソフトバンクモバイルのホワイト・モデル(右)
KDDIのブラック・モデル(左)とソフトバンクモバイルのホワイト・モデル(右)
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100円ショップで購入した吸盤フックのおかげで無事に前面パネルを開くことができた。
100円ショップで購入した吸盤フックのおかげで無事に前面パネルを開くことができた。
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液晶パネルのフラット・ケーブルなどのコネクタがつながったまま、前面を開けたところ。折りたたみ式携帯電話機のように見える。(写真:中村宏)
液晶パネルのフラット・ケーブルなどのコネクタがつながったまま、前面を開けたところ。折りたたみ式携帯電話機のように見える。(写真:中村宏)
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その1から続く)

 2012年9月21日の発売日に入手したKDDIのブラック・モデルに加え、週末にはソフトバンクモバイルのホワイト・モデルも入手した。これで「KDDI&ソフトバンクモバイル」および「ブラック&ホワイト」のそろい踏みである。とりあえずKDDIのブラック・モデルから分解することにした。

 iPhone 5には、iPhone 4Sと同じく底面に二つのねじがある。このねじを外すことで分解が始まるのはiPhone 4Sと同じだ。違いは、ネジで固定されているのがiPhone 4Sでは裏蓋なのに対し、iPhone 5では前面のディスプレイ部だということだ。

 このねじの頭の大きさは、iPhone 4Sよりもさらに小さくなっている。ただ、ねじ穴の形状は変わっていないようだ。iPhone 4Sの分解の際には、このねじを外す工具を用意していなかったため、不要な手間がかかった(Tech-On!の関連記事)。同じ徹は踏まない。今回は、iPhone 4S分解用として販売されている専用のドライバを前もって購入している。このドライバを使うことで、ねじは簡単に外れた。

 いよいよ前面パネルを外す番だ。と思ったが、固くて開かない。カッターナイフやマイナスドライバでこじ開けようとすると、少し浮き上がるが、すき間ができるほどにはならない。iPhone 5の前面は、ガラスの周りを樹脂が薄く取り囲む形状になっている。無理にこじ開けようとすると、樹脂部分がどんどん削れて傷が大きくなっていく。これはまずい。

 ご存じの方も多いと思うが、米iFixit社はiPhoneシリーズの発売直後に分解を実施し、写真レポートをWebサイトに掲載している(iPhone 5の分解レポート)。このレポートでは、前面を外す際に吸盤を用いていた。「何かで引っ張らないと」。

 試しに、画面にガムテープを貼り付けて引っ張ってみた。だが、接着力が弱くて話にならない。やはり吸盤でなくては駄目なのか。ある分解班員が「そういえば近くに100円ショップがあったな」とつぶやく。「今から買ってきますよ」。別の班員がそう言うやいなや、現場を飛び出し、家庭用の吸盤フックを買ってきた。5個で105円、耐荷重1kgの製品だ。

 画面に吸盤を貼り付けて引っ張ってみる。すると、ググッと持ち上がった。「これが耐荷重1kgの実力か」。すき間ができるまで持ち上げておき、カッターナイフの刃を差し込むことで、十分なすき間ができた。ここにヘラを差し込むことで、無事に前面パネルを取り外すことができた。

 液晶パネルやタッチ・パネル、前面カメラなどのフラット・ケーブルは上部に位置していた。コネクタが付いたままの状態で前面パネルを開くと、まるで折りたたみ式携帯電話機のような形状になった。

その3に続く)