ソニーは、デジタル・カメラにアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)をインストールすることで機能を追加できる「PlayMemories Camera Apps」を2012年10月に開始する。世界最大級のカメラ関連の展示会「photokina 2012」(開催期間2012年9月18~23日、ドイツ・ケルン)では、同社ブースに専用コーナーを設けてデモを披露してアピールした(図1)。
デジタル・カメラではこれまで、購入後に機能を追加する仕組みがほとんどなかった。最近になってようやく、韓国Samsung Electronics社の「Galaxy Camera」やニコンの「COOLPIX S800c」など、ソフトウエア基盤にAndroidを採用して米Google社が運営する「Google Play」経由でアプリを追加する動きが始まっている状況だ( Tech-On! 関連記事1、同2)。
これに対してソニーは、PlayMemories Camera Appsを同社独自のプラットフォーム上で提供していく。Google Playといったオープンな配信環境という選択肢も考えられたが「カメラ機能の向上に特化したアプリを提供する目的を実現するためには、我々独自のプラットフォームが最適だと判断した」(同社の担当者)という。
アプリは順次追加予定
対応が決まっているデジタル・カメラは今のところ、ミラーレス・カメラ「NEX-5R」と「NEX-6」の2機種。いずれも無線LAN機能を内蔵する(図2、3)。両機種は、年内には国内でも販売を開始する予定である。
NEX-5RとNEX-6は、メニュー内にPlayMemories Camera Appsのアプリを格納する「Application」のアイコンがある(図4)。photokina 2012の開催時点では、8種類のアプリが明らかになっている。ソニーの担当者は「PlayMemories Camera Appsのアプリは順次増やしていく。ダウンロードして機能を追加・拡張できる仕組みをしっかり構築したい」と意気込む。8種類のアプリの名称と概要は以下の通り。
・Bracket Pro(シャッタースピードや絞り、フォーカス位置などが異なる3枚を設定してブラケット撮影できる)
・Cinematic Photo(数コマの静止画を撮影し、静止画の一部が動いて見えるような動画にできる)
・Direct Upload(カメラからPlayMemories OnlineやFacebookなどに画像を投稿できる)
・Multi Frame NR(連写した画像を合成してノイズを低減する)
・Picture Effect+(さまざまなエフェクトを使って印象的な作品が撮れる)
・Picture Retouch(撮影後に輝度や彩度、コントラスト、トリミングなどができる)
・Smart Remote Control(シャッター操作などをスマートフォンなどから遠隔操作できる)
・Time-lapse(設定した間隔でインターバル撮影し、合成して動画に仕上げられる)