トヨタ自動車は、手足の不自由な人に向けて、家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボット(HSR:human support robot)を開発した。円筒型の本体に、折り畳み式のアームを備える。「床の上の物をつかんで拾う」「薄い物を吸引して拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」「カーテンを開ける」などの仕事ができる。

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開発したロボットの動作の例(リリースから)

 操作は、音声認識機能やタブレット端末を使って行うことができる。人に触れることを前提に、安心・安全に使えるよう配慮し、本体やアームの駆動部に大きな力が生じないように設計しているという。

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開発したロボットの仕様(リリースから)

 開発に当たっては、日本介助犬協会の協力を得て、手足の不自由な人のニーズや要望を把握した。それを基に、「落ちた物を拾う」「物を取ってくる」「家族や介護者とのコミュニケーション」という機能の開発に取り組んだ。2011年には、横浜市総合リハビリテーションセンターの協力を得て、障害者の自宅で実証実験を実施し、利用者の視点を設計にフィードバックしながら開発を進めてきたという。

 今後は、遠隔地から見守りや介助ができる機能を追加することも検討する。実用化に向けて、大学をはじめとする研究機関や介護・医療関係者などと連携して研究開発に取り組んでいくとしている。

 今回のロボットは、2012年9月26日から東京ビッグサイトで開催される「第39回 国際福祉機器展H.C.R.2012特別企画 『福祉機器開発最前線』」で参考出品を予定している。