無線LAN機器の相互接続認証・普及促進団体であるWi-Fi Alliance(WFA)は2012年9月20日、無線LAN技術を使って映像を伝送する技術規格「Wi-Fi Display」の認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED Miracast」を同日に開始したと発表した(ニュースリリース)。

 Miracastの認定を受けたスマートフォンやテレビなどの対応機器は、無線LANのアクセスポイントを介さずに機器同士で直接映像を送受信できる。例えば、スマートフォンやタブレットの画面を無線でテレビに表示したり、パソコンの画面をケーブルでつながずにプロジェクターに表示したりすることが可能になる。

 Miracastの技術規格であるWi-Fi Displayでは、機器間の接続にWi-Fi Directを用いる。接続設定はWPSで簡単に行うことができ、機器間の通信はWPA2で暗号化される。HDMIやDVI、DisplayPortなどの暗号化に用いられる著作権保護技術のHDCPにも対応している。なお、Wi-Fi Displayがサポートする無線LAN規格はIEEE802.11nのみで、IEEE802.11a/b/gは対象外となる。ただし「将来的にはIEEE802.11acのサポートも検討している」(Wi-Fi Alliance Marketing DirectorのKelly Davis-Felner氏)。

 WFAは先週からMiracastの認定テストを開始しており、米Brodcom社の「Dualband 11n」や米Intel社の「WiDi(Wireless Display)」など、6社の無線LANモジュールやアダプタが最初の認定製品としてテストスイートで使われている。消費者向けの製品では、韓国LG Electronics社のスマートフォン「Optimus G」や韓国Samsung Electronics社のスマートフォン「Galaxy S III」、Samsungのテレビ「Echo-Pシリーズ」が初の認定製品になる見込みという。