Samsungは「脱Apple」を目指す

 SamsungにとってAppleは電子部品の大きな顧客である。しかし、Samsungはセット(スマートフォンなど)で利益を上げようとしており、最終的には顧客としてのAppleを失っても仕方ないと考えるのではないか。半導体などをAppleに提供するよりも自社製スマートフォンに供給する方が利益を得やすいからだ。Samsungは、この半年間に「iPhone」のNAND型フラッシュの供給量を2割程度から1割程度に減らしたようだ。代わりにAppleは韓国SK Hynix社をメインに東芝からの調達を増やした。

 一方のAppleもSamsungとの関係を見直した方が良いといえる。例えば(中核部品といえる)マイクロプロセサをSamsungと共同開発したが、将来的には自前で開発したいはずだ。メモリーならどこからでも調達できるが、マイクロプロセサはそうはいかない。Appleにとって、重要な製品戦略がSamsungに依存する形は好ましくない。両社は、それぞれの思惑を考えると、いずれは離れていく可能性が高い。

 今後のスマートフォン市場では、新興国市場向けの低価格品が大きく成長するだろう。そのときには、業界地図が変わるかもしれない。(低価格製品の開発・市場開拓で実績のある)台湾High Tech Computer Corp.が存在感を増すといったことが考えられる。