米Intel社は、IDF 2012内で開催したテクニカル・セッションで、携帯機器の内部配線向けインタフェース規格「embedded DisplayPort(eDP)」の最新仕様「1.4」について講演した。同社は、チップセットでeDPに対応するなど、採用に力を入れている。 

 eDPは、液晶パネル・モジュールとメイン基板を接続するインタフェースに利用する。従来のLVDSよりも高速化して信号線を削減し、コスト削減を図るのが主な目的である。

 従来のeDP仕様は、主にノート・パソコン用途に主眼を置かれていたが、1.4仕様からはタブレット端末などの携帯機器への搭載を強く意識している。そこでタブレット端末などに向けて、消費電力の削減に向けた技術を投入した。例えば、データ伝送速度の異なる複数の動作モードを設け、伝送する映像データに合わせてデータ伝送速度を変えることで、消費電力の削減につなげている。

 eDPは、機器間を接続するデジタル・インタフェース規格「DisplayPort」をベースにしている。DisplayPortでは、データ伝送路1レーン当たりの最大データ伝送速度に関して、1.62Gビット/秒と2.7Gビット/秒、5.4Gビット/秒の3段階の動作モードを準備する。eDPの現行仕様である1.3版では、DisplayPortと同じように3段階の動作モードを備えていた。

 DisplayPortの場合、データ伝送速度は固定である。例えば、映像データの伝送に2Gビット/秒必要な場合は、伝送路1レーンを使い2.7Gビット/秒で伝送する。その場合、ダミーのデータ・パケットを挿入することで、データ伝送速度を2.7Gビット/秒に固定する。単純に言えば、0.7Gビット/秒分が無駄になる。その分、消費電力も多めになるわけだ。

 そこで1.4版からは、この動作モードを7段階に増やした。具体的には、1.62Gビット/秒、2.16Gビット/秒、2.43Gビット/秒、2.7Gビット/秒、3.24Gビット/秒、4.32Gビット/秒、5.4Gビット/秒である。