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 米Apple社は2012年9月12日、スマートフォンの新製品「iPhone 5」を発表した。従来製品のiPhone 4Sの液晶パネルが3.5型だったのに対し、iPhone 5では4型に大型化した。液晶パネルにタッチ・パネル機能を内蔵する「インセル型タッチ・パネル」を搭載する。同月14日から予約を受け付け、同月21日に日本、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、香港、シンガポールで出荷を開始する。

 ディスプレイ表示は、iPhone 4Sの960×640画素から1136×640画素になった。326ppiの解像度は変わっていない。外形寸法は、iPhone 4Sが高さ115.2mm×幅58.6mm×厚さ9.3mmだったのに対し、iPhone 5は高さ123.8mm×幅58.6mm×厚さ7.6mmである。幅は同じで、液晶パネルが縦長になった分だけ高さが増え、薄型化した。重さは、iPhone 4Sが140gなのに対し、112gと20%軽量化した。

 薄型軽量化のため、さまざまな部品を小型化している。インセル型タッチ・パネルの採用により、ディスプレイ部の厚みは30%薄くなったとする。また、iPhone 4Sが採用しているマイクロSIMカードよりさらに小型の「Nano-SIMカード」を採用した。背面カメラの画素数は800万画素でiPhoneと同じだが、カメラ・モジュールを20%小型化したという。

 さらに、「Lightningコネクタ」と呼ぶ小型コネクタを採用した。従来のコネクタが30端子だったのに対し、端子数を8に減らした。端子はコネクタの両面に露出しており、接続する際に面の向きを気にする必要がない。従来のコネクタ向けの機器をLightningコネクタに接続するためのアダプタも別売で用意する。

 通信方式別に複数のモデルを用意する(Apple社の説明ページ)。日本では、ソフトバンクモバイル向けにGSMモデル(モデルA1429)、KDDI向けにCDMAモデル(モデルA1429)を提供する。いずれもLTEに対応。GSMモデルは新たにHSPA+とDC-HSDPA、CDMAモデルでは新たにCDMA EV-DO Rev. Bにも対応する。

 新型のアプリケーション・プロセサ「A6」を搭載する。プロセサの性能とグラフィックスの性能が、それぞれ最大2倍になったという。フラッシュ・メモリの容量別に、16Gバイト、32Gバイト、64Gバイトのモデルを用意する。なお、NFC(near field communication)やワイヤレス給電には対応しない。

 同時にApple社は、第7世代の「iPod nano」と第5世代の「iPod touch」も発表した。iPod touchは、iPhone 5と同じく4型液晶パネルとLightningコネクタを採用した。厚さが6.1mm、重さが88gと薄型軽量なのが特徴だ。アプリケーション・プロセサ「A5」を搭載し、Siriも利用できるようになった。