メイン基板の前面。
メイン基板の前面。
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メイン基板の背面。
メイン基板の背面。
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Tegra 3のヒートスプレッダをはがしたところ。ヒートスプレッダは、ベア・ダイの上に熱伝導グリスで貼り付けられている。
Tegra 3のヒートスプレッダをはがしたところ。ヒートスプレッダは、ベア・ダイの上に熱伝導グリスで貼り付けられている。
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分解した部品を並べたところ。
分解した部品を並べたところ。
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その2から続く)

 メイン基板は、Liイオン2次電池を避けるようにL字型になっている。最近のタブレット端末では多い形状だ。電子部品は両面に実装されているが、密度はそれほど高くない。比較的ゆとりのある設計だ。

 基板の前面には、フラッシュ・メモリや2個のタッチ・パネル制御ICなどが実装されている。フラッシュ・メモリのメーカーは米Kingston Technology社だ。同社はDRAMモジュールやSDメモリーカードなどで有名だが、同社製のフラッシュ・メモリが基板上に実装されている製品はあまり見かけない。

 小型の前面カメラ・モジュールとマイク・モジュールは、ケーブルを使わず、コネクタを介してメイン基板に直接取り付けられていた。韓国SK Hynix社のDRAMパッケージは、裏表に2個ずつ、合計4個が実装されていた。1個の容量は256Mバイトなので、合計1Gバイトだ。

 背面には、アプリケーション・プロセサの「Tegra 3」に加え、オランダNXP Semiconductors社のNFC制御ICや米Broadcom社のGPS受信ICが搭載されていた。基板上では、これらのICの部分だけが電磁雑音対策の金属製カバーに覆われていた。

 GPS用の温度補償型水晶発振器(TCXO)には、ニュージーランドの企業であるRakon社の製品が使われていた。軍事向けの部品に強いメーカーだという。角速度センサや加速度センサは、スマートフォンやタブレット端末で定番になっている伊仏合弁STMicroelectronics社の製品ではなく、これらのセンサを一体化した米InvenSense社の製品が搭載されていた。

 Tegra 3のヒートスプレッダをはがすと、Tegra 3のベア・ダイがインターポーザにフリップチップ実装されていた。発熱が大きいプロセサなどのLSIでよく見られる構造だ。Tegra 3の横には、電源系の回路が位置していた。