(その1から続く)
2次電池とメイン基板を結ぶコネクタを外すことで、すぐに2次電池を取り外すことができた。すると、2次電池の下からメイン基板にかけて、巨大な銅板が姿を現した。基板の高さに合わせて折り曲げられている。銅板は接着力が弱い粘着剤で金属製のフレームに貼り付けられており、容易にはがせる。銅板の下からは、メイン基板と下部の外部コネクタを結ぶフラット・ケーブルが現れた。
最近のスマートフォンやタブレット端末ではポリイミド製のフラット・ケーブルが多用されているが、このケーブルは紙の両面にフィルムを貼り合わせた簡素なものだった。90度曲がる部分はそのまま折り返されている。銅板と金属フレームの間に挟まれているため、電磁雑音などの影響をあまり考えずに済むため、こうしたケーブルを使っているようだ。徹底的にコストを切り詰めようという意志がうかがえる。
銅板は、メイン基板上のアプリケーション・プロセサ「Tegra 3」のヒートスプレッダに接着されていた。Tegra 3の周辺の回路は短絡を防ぐために黒いシールで覆われていた。この構成から、この銅板はTegra 3の発熱を逃がすためのものだと推測できる。
気になったのは、銅板とTegra 3のヒートスプレッダが粘着剤でそのまま接着されていたことだ。通常の製品では、こうした部分には熱伝導シートや熱伝導グリスを用いることが多い。コスト削減を徹底するためだと思われるが、熱による粘着剤の劣化が気になった。
液晶パネル周りの回路は、薄いフレキシブル基板の上に実装され、液晶パネル・モジュールの背面に貼り付けられていた。液晶パネル・モジュールの内部は、光拡散シートが2枚、輝度向上フィルムが2枚と一般的な構成だった。バックライトとして、25個のLEDが片側に並んでいた。
(その3に続く)