ソニー・ブースで試用する来場者は後を絶たない
ソニー・ブースで試用する来場者は後を絶たない
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 2011年に「HMZ-T1」という型番で、ソニー製品の中でも断トツの人気を誇った「3Dヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)」。今回、初めてのモデル・チェンジを経て、「IFA 2012」で「HMZ-T2」として再デビューを飾った。初代の製品も大きな話題になったが、2代目は画質、音質、3D効果などが飛躍的に改善されたと、筆者は判断した。

 そもそも、このHMDの3次元(3D)映像品質は他のディスプレイを圧倒している。テレビやプロジェクタの3D映像はメガネを通して見るのだが、右目用と左目用の映像を高速に切り替えるなどの処理をするため、画面が暗い、クロストーク(二重像)が出やすい、ちらつきが出る――という3つの問題が発生する。ところが、このHMDは、二つのディスプレイで左右の目に独立した映像を届ける。3Dテレビとは異なり、1つの画面に左右の映像を交互に映す必要はない。液晶シャッターが視界を遮ることもない。

 画質は大幅に向上した。表示素子の720pの有機ELパネルは変わらないのだが、見え方がまるでフルHDであるかのように精密で繊細になった。720pでもいかにしたらフルHDのように見えるか、に注力した結果だという。エンハンスの方法を高域中心に変え、光学レンズの周波数特性も考慮した。この処理の結果、3Dでもより確実な立体感が得られるようになったのである。